近自然登山道工法

合同会社 北海道山岳整備

会社案内
HOME
お問い合せ
施工例
近自然工法
業務内容
ブログ
流水などの浸食に対応した施工となっても、登山者が歩きにくければ、それをよけて新たな浸食が起こることも多い。     登山者の行動を予測した施工でなくてはならない。
日本の伝統技術は近自然工法に近く、機械を使わずとも施工できる。もちろん作業機械があれば便利だが、山岳地域には機械は入れないことがほとんどである。   
そのため、昔ながらの道具を使い伝統的な技術により施工する。
また近自然登山道工法では、石組だけでなく木や土嚢などを使った施工でも、従来工法に比べ対応年数を延ばすことができます。従来の整備では木などの材質が腐食によってダメになる前に、浸食作用により周囲の土砂が流れ機能しなくなることが多く見られます。しかし、同じ材料を使っても自然界の構造を理解して施工すると、自然の力は浸食ではなく回復に働きます。整備後数年で浸食され歩きにくくなっていたものが長く機能するようになります。

必要以上に施工しない
現場環境は傷つけない

従来の施工では、浸食量以上に施工したり、不注意により現場の植生などを傷つけてしまうことがある。これをしないという方針で作業にあたり、地形・浸食に合わせた必要最低限の施工をする。
道具から工法まで基本的に伝統技術を用いる
登山者の行動(心理)の予測
HOME
木材など石以外の材質でもOK
自然と同化し、補修の必要も少ない

近自然登山道工法の将来性
次世代に残すための整備
まずは登山道の浸食を止め、なおかつ生態系復元のための環境を整える

この工法は正しく施工できると、周囲と調和し自然が回復していきます。そして、非常に崩れにくいという特徴があります。      写真の石組階段工は数十年前に施工されたものです。当時は近自然工法としてではなかったのですが、非常に近い石組があり、自然の理にかなった施工になっています。登山者にも歩きやすく、石の隙間からは植物が育ち小動物も顔を出します。ここまで自然と同化すると、浸食は起こりにくくなり、さらに維持補修もほとんど必要ありません。

この技術をできるだけ
地元に残し、伝えていく

日本には様々な山岳地域があり、それぞれに山を愛する地域住民がいる。その方々と一緒に作業することにより、この工法を覚えてもらい地域の自然環境に合わせた整備になるように発展させていく。
自然の河川を見ると、自然自ら構造物を作り出し、浸食されない状態にしている。                   とくに渓流域の河川構造物は、そのまま登山道に応用できるものが多い。自然を観察し、その中にある構造物の基本を理解し、登山道に応用する。
浸食現場をよくよく観察し、原因を把握する。
河川の浸食原因の一つに水流による浸食がある。  山岳地域でも、主原因が、登山道が水路化し土砂が流されることにある。よって登山道は川であると考え、河川工法を応用する。        
近自然工法とは
損なわれた自然生態系の復元
食物連鎖と物質収支の関係を自然に近く復元すること

近自然工法は、もともとは「近自然河川工法」と言い、スイスで生まれた河川工事の技術です。                     それを福留修文氏(西日本科学技術研究所)が日本へ伝え、各地へ広がりました。福留氏は日本の伝統的な河川工法も研究されており、近自然河川工法と非常に類似点があることから、融合させ、さまざまな場所で応用されています。登山道整備もその応用として始まり、屋久島で最初の試験施工が行われました。                                          その後いろいろな山岳地域で研修会が行われ、大雪山でも数年間にわたる研修・試験施工があり、平成17年度からは環境省直轄事業として本格的な整備が行われました。現在では「近自然登山道工法」と呼ばれ、継続して施工されています。
施工物の構造は、自然界の構造から学ぶ
浸食原因を理解する(登山道は川である)
日本の山岳地域には、江戸時代に造られ未だに崩れていない石組みの登山道や歩道が少なくありません。             当時の職人は自然をよく観察し、自然の理にかなった施工をしていたのだと思います。                          北海道山岳整備ではこれを見習い、次の世代に残せるような施工を目指しています。

近自然登山道工法のコンセプト