北海道新聞 連載記事『朝の食卓』
ルーティン

ルーティンとは、お決まりの手順のことをいい、最近ではスポーツ選手独自の儀式的な動作もそう呼ばれています。 北海道日本ハファイターズの近藤健介選手が、打順が回る度、お決まりの体操をしてから打席に入っていますが、おそらく近藤選手のルーティンであり、これをしないと打てなくなるのではと思います。
ぼくには、居酒屋でのルーティン があります。
①カウンターの端から2番目か3番目に座ります。店主と近すぎず遠すぎない距離を良しと考えています。
②熱烈なビール狂なので、瓶ビールを注文し、まずお通しで飲みます。
③ビールを飲みながら、お品書きを熟読します。 全神経を集中して、その店の定番、おすすめ、その地の名産をチェックします。
④注文に至りますが、注文するか迷ったメニューは、食べずに後悔するのが嫌なので、注文することにしています。
カクテルバーでは、特段の事情がない限り、最初はジントニックを注文することにしています。そうすると、たいていのバーテンダーは好みのジンを尋ねてくるので、ここできちんと対応すると、バーテンダーと会話するきっかけになり、居心地が良くなることが多いです。
ルーティンがあると心にゆとりができ、気後れすることなく、自分のペースに持ち込むことができます。ぼくは各地の居酒屋に足を運んでルーティンを駆使し、10年かけて、日本全国7都道府県を制覇しました。