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北海道新聞 連載記事『朝の食卓』

9月入学

北海道新聞 連載記事『朝の食卓』


新型コロナウイルス対策の一環として9月入学が検討されていますが、導入されたらどうなるでしょうか。

卒業式が夏休み前となり、大学受 験の日程も変わります。すなわち、5月にセンター試験の後継となる共通テスト、6月に各校の入学試験、7月10日ころが卒業式になると思われます。卒業ソングは春の歌が多く、森山直太朗の「さくら」やコブクロの「桜」、中島みゆきの「春なのに」などは夏の卒業式には似合わず、季節外れの感を否めません。俳句では「卒業」や「入学」は春の季語ではなくなるでしょう。

夏の甲子園は、8月開催を変えないと、卒業式後に開催されます。3年生は受験や卒業で忙しい時期に地区予選に出場することになり、日本学生野球憲章の基本理念である「学業との両立は至難の業となります。そこで、開催時期を前倒しにして、夏の甲子園を春休みに、春のセンバツを冬休みに開催することが考えられます。しかし、こうすると夏の甲子園の地区予選は2月開催となり、雪国では開催が難しい上、屋外練習ができない時期に公式戦を行うことになります。また、雪まつりなど冬のイベント開催の一方で高校野球の地区予選を開催することになり、季節外れもいいところです。

新しい生活様式と言ってしまえばそれまでですが、コロナ流行の都度、入学時期を見直すなど、生活様式を改めることになりかねません。コロナ対策のためにそこまでする必要はなく、9月入学は見送るべきだと思います。