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北海道新聞 連載記事『朝の食卓』

贈る言葉

北海道新聞 連載記事『朝の食卓』


ぼくと妻の間には、息子が1人います。妻の体調が良くなく、出産後も長いこと入院していた関係で、育児は平日昼間分をベビーシッターさんに頼み、それ以外はぼくの担当でした。やるしかない。気持ちは長渕剛の「西新宿の親父の唄」。やるなら今しかねえ!

法律相談、裁判や調停への立ち会いといった業務で昼間はつぶれてしまうので、裁判文書は、育児をしながら作成しました。息子の面倒を見ながら、あらすじを考え、独り言をブッブッ言いながら文章を考案し、息子を寝かせた後にパソコンに打ち 込んで文章化し、一段落したら自分も仮眠を取るといった具合です。

独り言は、さながら念仏を唱えているようであったと思われ、プップツ唱える法律念仏が子守唄の代わりでした。息子は法律念仏を聞かされて、迷惑そうでしたが、そのうち、諦めて寝てくれました。3時間ごとにミルクを与える時期は、この法律念仏も3時間ごとに唱えました。われながら、よくやりました。

息子も15歳となり、4月から高校生です。ぼくの気持ちは、河島英五の「野風増」。いいか♪男は大きな夢を持て♬

そして「贈る言葉」。夢を実現するには、諦めないこと、新しい方法を試してみること、自分だけ成功しようとしないこと、「それが大事」だよ。壁にぶつかった時には自分のやり方を変えてみる勇気と、好敵手である友達が必要です。人は孤立したら成功できません。