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北海道新聞 連載記事『朝の食卓』

あんばい

北海道新聞 連載記事『朝の食卓』


夏の間、家庭菜園をやっています。無農薬で栽培しますが、手入れをする時間がないため、虫に食われにくく、放っておいても収量が上がる作物を植えています。ミントやバジル などの香草類に、カブや大根、ジャガイモなどの根菜類、それに唐辛子といったところです。

香草や唐辛子は乾燥させれば保存できますが、カブや大根はそうはいきません。そこで、漬物にするわけですが、塩漬けだけでは能がないので、にしん漬けにトライしたことが あります。身欠きにしんと米こうじを買ってきて、漬けてみました。

身欠きにしんのうろこを取るなど相当な労力をかけましたが、塩加減に失敗し、塩辛くなってしまい、人間の食べるものではなくなってしまいました。これに懲りて、 翌年は、大根でキムチを作ることを 思いつき、カクテキを作りました。しかし、今度は塩分を控えめにしたため、傷みが早かったように思います。

味加減、具合のことを「あんばい」 と言います。「あん」=塩、「ばい」=梅です。梅を漬けるには塩加減が大事ということなのでしょう。漬物を良いあんばいに仕上げることは難しいことだと痛感しました。

この経験を、居酒屋や食堂巡りに役立てています。転んでもタダでは起きません。結論として、漬物が手作りでおいしい店は信用できます。北海道の場合は、今の季節は、やっ ばり、にしん漬けでしょう。店によって、あんばいが違います。