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北海道新聞 連載記事『朝の食卓』

ソウルフード

北海道新聞 連載記事『朝の食卓』


「ソウルフード」とは、アメリカ南部黒人の伝統料理または各地の郷土料理のことですが、いつでもどこでも、これさえ食べれば元気になる食べ物のことと置き換えます。

ポパイの場合はホウレンソウ、ハクション大魔王の場合はハンバーグ。ぼくの場合はカレーも捨てがたいですが、インド出身ではないので、今回は北海道人としてのソウルフードとします。

子どものころ、焼き肉とはジンギスカンのことだと思っていました。牛肉の焼き肉を初めて食べたのは中学生になってからです。大学から東京に出て、司法試験合格までの14年間を東京で過ごしましたが、北海道人であるためか、時折、無性に食べたくなるのは、ジンギスカンでした。漬け込みの場合は松尾ジンギスカン、後づけの場合のタレはベル食品のものと決めており、帰省した折に購入して、やはり道外では入手困難なカップ麺・やきそば弁当とともに東京に持って行きました。

東京でジンギスカンを食べると不思議と元気になり、司法浪人時代を精神的に病むことなく過ごすことができました。合格後は司法研修所に併設された寮での生活となります。

同じ寮に旭川東高出身者が3人もいて、そのうちの1人の部屋で「東高飲み会」をしたところ、やき弁を発見。その旨指摘すると「やき弁に反応した、さすがだ」と笑われました。同時に、やき弁が北海道人のソウルフードであることを再確認しました。