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北海道新聞 連載記事『朝の食卓』

母の日

北海道新聞 連載記事『朝の食卓』


以前の司法試験は5肢選択マーク式の択一式、最難関の論文式、極限緊張の口述式のすべてを1年の間に合格しなければならず、択一に合格しても論文で不合格になれば、次の年は、択一から受け直しでした。択一も難し口(東京大学出身者の半数以上、中央大学出身者の8割が不合格)、択一に一度も合格せずに司法試験を断念する者の方が多かったのです。

択一は毎年「母の日」(5月第2日曜日)に実施されていたので、ぼくにとっての母の日は、司法試験の第一関門の日でした。スギ花粉症の季節になると、母の日が気になり、択一用の勉強を開始し、ゴールデンウィークは追い込みとなります。

毎年、択一を通すのに苦戦していたため、縁起をかつぐために母の日前に自分に多くのルーティーン(恒例の儀式)を課していました。

その一つが、某製パン会社のキャンペン「春のパンまつり」でシールを集めることでした。択一は60点満点で50点取れば、まず合格するので、「春のパンまつり」でも、シールを50点集めて白い皿2枚獲得を目指しました。

そのため、母の日前はシール集めも追い込みとなり、最も投資が少なく効率よくシールを集める最適なパンの商品を考え、シール欲しさんにそのパンを主食としました。

ぼくにとって「祭り」と言えば「春のパンまつり」であり、白い皿を獲得しないと縁起が悪いので今でも「春のパンまつり」に参加しており、今年で29年連続です。