4.営業について

 この「テープ起こし」という仕事を個人事業として始めようと決心して、私がまず最初に行ったことは自分のホームページを作成したことです。

 それまでは他人のサイトを見て、どうしてこんな神業ができるのだろうと感心しているのみだったのが、いろいろ雑誌や専門書を読むうちに素人でも作成可能なのだということを知り、もともと趣味人間だったので、営業も兼ねた趣味サイトを拙いながら作成しました。無料サーバーをレンタルしたので、かかった費用は参考書の書籍代のみです。

 その前に、事業を始めようと思い立った背景には、「テープ起こし」や「在宅ワーク」関連のメーリングリスト加入があります。そこで、いろんな知識や情報を得ました。既に開業されている方々がほとんど自分のサイトを運営されていて、そこから受注をしたり、お互いに現場の動向を探ったりしているのが分かりました。

 さて、サイトは完成しましたが、当然のことながら素人が作ったお遊び程度のサイトでしたので、すぐに申込みなど望めませんでした。しかし私の場合、副業ということもあって焦らずのんびり、でも常にアンテナは張り巡らして時期を待っていました。

 そんなある日、ふと地域の新聞でSOHO関連の集会のお知らせを目にします。「当たって砕けろ」で思いきって参加してみたところ、少しずつですが道が開けてきました。

 旭川はテープ起こしの同業者は少ないですが、異業種でも同じようなパソコン関係の個人事業者はたくさんいらっしゃいます。名刺や営業案内も全部自分で作成しました。受身では仕事は決して自分からやって来ません。どんどん自分をPRしていかなければなりません

 SOHOは家で黙々と1人で作業する仕事だから人付き合いは関係ない?いいえ、それは間違いです。営業に関してはそれは当てはまりません。人と人とのつながりの大切さを一番感じたのは、以前勤めていた会社からヘルプを頼まれるようになったことです。

 固定のお取引先はある程度確保できましたが、新規のお客様となるとなかなか思うようにはいきません。手作りのダイレクトメールにもチャレンジしてみましたが、今のところ成果はさっぱり。全国規模の仕事斡旋のサイトに登録しても、こんな北海道の片田舎にまで仕事は回って来ません。

 一番効果があったのは、サイトのリニューアルでした。それまでの趣味とビジネスが合併したサイトを改め、独立した営業のみのサイトを作り直しました。素材もオリジナルで、動く画面も勉強して、新しく申込み受付フォームも設置しました。更にサイトを多くの人に見てもらえるよう、検索エンジンへの登録にも力を注ぎました。

 すると、努力の甲斐あって、少しずつですが全国からの受注が舞い込み始めたのです。その上、メディア(新聞)の地方欄のIT関連の取材を受けるという幸運にも恵まれ、地元からの問い合わせもグンと増えました。

 とにかく、まずは存在を知ってもらわないことには始まらないということなのですね。

ホームへ コラム目次へ戻る コラム5へ