【優勝争い】
サントリーの途中までは1位:鹿島、2位:横浜Mのデッドヒートだった。しかし、鹿島はシーズン途中にレオナルドとジョルジーニョがブラジル代表で離脱したため一気に低迷する。横浜Mも名将ソラーリの途中帰国後、早野就任で3連敗を喫するなどチーム力がダウン。最後はJ史上例を見ないほどのダンゴ状態となったが、横浜MがGK川口の貢献もあり辛うじて逃げ切った。
後半猛追した川崎は2位。脱グダグダ化した元万年負け組の名古屋と浦和が3、4位。磐田、市原(!)、平塚、鹿島あたりにも終盤まで優勝の芽は残っていた。
ニコスは川崎が独走し、ニコスシリーズ三連覇した。ベンゲル名古屋は2位。
【タイトル】
得点王は50試合で32点(うちpk14)を挙げた福田。34試合31点という脅威の得点率を残したスキラッチを抑えての受賞だが、個人的にはpkをあまり蹴らないスキラッチにタイトルを取らせたかった。3位のビスコンティ27点、4位ベッチーニョ25点も優れた数字であるが、両人ともベストイレブンからは漏れている。両者ともにいかにも得点力に優れたアタッカーという好選手であったが、知名度のせいか地味な扱いを受けていた。
【チーム別】
優勝チーム
私に万年脇役扱いされていた横浜Mは、ソラーリ監督の大胆な選手起用が功を奏して優勝。ディアスや松永のレギュラー落ち、新人GK川口の抜擢、選手同時3人交代といった思い切りの良い采配は日本人監督に見られないものだった。
川崎はアルシンドを獲得したもののチームが噛み合わず、序盤は1勝7敗とまさかの低迷。しかしネルシーニョ監督がしっかりチームを立てなおし、サントリーは12連勝して終了。勢いそのままに、ニコスではぶっちぎりでステージ優勝を決めた。
新外国人監督で躍進した2チーム
ベンゲル監督の名古屋は総合3位、オジェック監督の浦和は総合4位と大躍進した。
名古屋は監督交代に伴い、前年いた6外国人のうちストイコビッチのみを残留させ、新たにベンゲル自ら確認したトーレス、デュリックス、パシを加入させ4外国人体制となる。序盤こそ戦術が浸透せず最下位に沈んでいたが、サントリー後半からはシステマチックな4−4−2が馴染んで連勝を重ねた。浅野とデュリックスが中盤の底でバランスを取り、左から平野が突進し、トップ下がり目のストイコビッチが攻撃を指揮する。右の岡山とトップの森山がゴールを挙げる。望月の加入は翌年だった。
オジェック監督の浦和は、ブッフバルトを中心とした堅守を軸に、バイン→福田、岡野の速攻を使ったカウンターサッカーで白星を重ねた。ただしトニーニョの加入したニコスでは五分の星に終わっている。
五分に落ちこんだ鹿&清
鹿島はエドゥー監督の2年目で、アルシンド退団+ジョルジーニョ加入。サントリーではレオとジョルジの離脱が響き12勝2敗から2勝10敗へと一気に落ちこむ。ニコスでの立てなおしが期待されたが、サントスout、破壊神モーゼルinで滅茶苦茶になった。なお、終盤にマジーニョが加入した。
清水は宮本監督による暗黒の1年。
ジアス、トニーニョ、ロナウド、(三渡州アデミール)
→ロナウドとトニーニョ放出、マルセロ+サントス+マッサーロ加入、これにジアス
→マッサーロ怪我で6連続ゴールのマルコ加入。
どたばたを続け、優勝争いに加わることができなかった。
監督2年目で勝ち越した市原、磐田
オッツェとリティー退団後の市原は意外に(?)勝ち越している。とすれば、私の中の「清雲監督→だめだめ」という印象はどこから来ているのだろう…。当時のスタッツを見るとルーファー、新村といった選手が得点しているようだが、やっていたサッカー自体は殆ど記憶にない。
磐田はオフト2年目。ドゥンガがこの年に途中加入した。なお94年加入が藤田、田中、奥、服部(途中)、95年加入が名波、福西。
前年のようにはいかなかった平塚、広島
平塚:サントリーでは自慢の攻撃陣が冴えたものの、ニコスでは低迷して最下位へ。古前田+ニカノールの首が飛んだ。
広島:ヤンセン監督になったが成績は奮わなかった。ハシェックは序盤こそ8試合8ゴールと活躍したものの、以後は3ゴールのみ。新外国人のファンルーンとハウストラがあまり機能してないように見えた。
1年目のC大阪、柏
柏はサントリーで最下位。シーズン前はカレカ&ミューレルのイタリアW杯セレソン2トップが話題となったが、ミューレルのホームシック(笑)、カレカの怪我で殆ど実現しなかった。ニコスではアントニーニョ監督とベンチーニョを得て川崎に次ぐ総得点を挙げ、勝ち越し。
C大阪はサントリー、ニコスともにほぼ5割をキープした。イケイケの柏とは対照的に、安定感のある守備的なサッカーをしていた気がする。攻めの中心はバルデス、森島、マルキーニョスのトリオだった。
落ちこんだ横浜F、G大阪
横浜Fは外国人総入れ替えを敢行し、パルメイラスからエバイール、ジーニョ、サンパイオを引っ張ってきた。開幕前は優勝候補に挙げられていたが、補強は実らずブービーになってしまう。
年間最下位となったのがG大阪。ヘルト新監督、プロタソフ、ヒルハウス、アレイニコフ、ツベイバらが在籍していた。成績が悪くてもヘルト監督はニヤリとしているように見えた。
■1994サントリー
【第1節】
H:川崎5−1平塚(国立)
手荒く昇格チームを歓迎した。(TV)
H:清水1−0横浜F(日本平)
新加入の永島が押し込んだ。永島は移籍のハシり。(D)
【第2節】
H:鹿島2v−1川崎(カシマ)
一度鹿島側のV弾が取り消された後のアルシンドV弾。試合後の挨拶に残った川崎の選手はラモス一人。物凄い熱戦だった。個人的には、今までのサッカー観戦の中で一番燃えた試合。(TV)
【第3節】
H:川崎3−2磐田(国立)
ゴン弾と鈴木将方の肩のりヘッド?TV的に都合の良い試合だった。(TV)
H:横浜M0−1鹿島(三ツ沢)
マリノスキラー、アルシンドの得点で3連勝。(TV?)
【第4節】
H:鹿島3v−2清水(カシマ)
もうダメだ…と思っていたのに、0−2からまさかの逆転劇。清水はトニーニョが得点。(D)
【第5節】
H:市原2−3鹿島(国立)
アルシンドの素晴らしすぎるミドルに、オッツェの得点感覚を感じさせるゴールが印象に残っている。昼間の試合だった。鹿島が5連勝した(そして6連勝しなかった)のを覚えている。(TV?)
H:清水2−1川崎(草薙)
大事な一戦なのに何故か記憶がない。トニーニョが得点。(D)
【第8節】
H:名古屋1−0川崎(瑞穂)
耐えて耐えて勝利。米倉のロングシュートを見届けた後、自転車に乗って総合体育館に行きデカビタを飲んでいた。(TV)
【第10節】
H:横浜F1−0川崎(国立)
アマリージャのさすがのヘッド。これで川崎は鹿島、横浜M、清水、名古屋、横浜Fに敗れて5勝5敗。Yeah!(D)
【第12節】
H:川崎3−0鹿島(等々力)
第2節の感動を再び!とはいかなかった。(TV?)
【第13節】
H:磐田2−0川崎(磐田)
スキラッチのデビュー戦。スキラッチらしくない長距離ドリブルが出た。PKも決めた。(TV)
H:鹿島2v−1横浜M(カシマ)
アルシンドがまたも活躍、2得点。(TV?)
【第14節】
H:清水3−3鹿島(国立)
曇りの国立。加藤久は予想通りアルシンドの速さについていけず退場し、シジマールは壊れて以後調子を落としてしまった。落ちついたPKで試合に終止符を打ったのはサントス。トニーニョ2点、アルシンド2点と取るべき人が得点。追いつき追いつかれ…という素晴らしい一戦だった。12勝1敗だった清水は、この試合から4連敗を喫して転がり落ちていく。(TV)
【第15節】
H:鹿島1−2市原
オッツェの2点で負けてドッチラケ。前節の激しい試合から中2日が祟ったという見方もできる。
【第16節】
H:広島2−0鹿島(広島)
ジーコの復帰空しく堅実な広島に完敗。広島の強さを感じた。(TV)
H:市原0−1v川崎(国立)
川崎が押しまくり。最後は運のなかったカズがGKをかわしてVゴール。(TV)
【第17節】
H:川崎1−4広島(等々力)
ハシェックがハットトリック。川崎ですら広島を止められない。(TV?)
【第18節】
H:川崎2−1名古屋(等々力)
小倉がJリーグデビュー。タッチ際、ヒールでDFを抜き去った。(TV)
【第19節】
H:清水1−2広島(日本平)
高木に2点取られたのが悔しい。これで伏兵広島の優勝が決定的になった。(D)
【第21節】
H:磐田1−2広島(磐田)
優勝決定。チェルニーのシュートがガラ空きのゴールにコロコロ転がっていった。(TV)
【第22節】
H:磐田1−2鹿島(磐田)
優勝争いの熱がさめやらぬ内に、今度は「さよならジーコ」モードになった鹿島。ジーコのラストマッチでは、お約束のFKゴールが決まる。この試合、磐田側が微妙に遠慮していた気がするのは私だけだろうか。磐田は前節の広島戦に引き続き、連続で引き立て役に回った。(TV)
■1994ナビスコ…夏。
【決勝】
川崎2−0磐田(国立)
今思うとこの年は磐田、平塚という昇格組が健闘した年だった。記録を見ると、磐田のナビスコカップでの5得点は全てスキラッチによるもの。(TV?)
■1994ニコス
【第2節】
H:鹿島2−2川崎(カシマ)
レオナルド初見参で前半は川崎を「圧倒」して2−0!しかし中村忠がレオナルドに密着マークを始め、終わってみれば2−2のPK負け。やるせなかった。(TV)
【第7節】
H:広島3−2川崎(広島)
ニコスも広島なのか?と思った。(TV?D?)
【第10節】
H:横浜F2−3川崎(三ツ沢)
小柄な桂選手はテクニックがあった。(TV)
【第15節】
H:川崎5−1清水(国立)
清水はジャウミーニャのロングシュート一発のみ。かつての堅守の見る影なくボコボコにされた。(TV)
【第17節】
H:川崎0−1広島(等々力)
なまじハシェックの1点で勝ってしまったことがチャンピョンシップで仇となった気がする。この得点はヘッド絡みだったはず。(TV?D?)
【第19節】
H:G大阪1−3川崎(万博)
山口敏のファインゴールでG大阪が先制。でも川崎は強かった。(TV)
【第21節】
H:鹿島3−1平塚(カシマ)
鹿島が平塚の邪魔をした。それだけ。(D?)
■1994チャンピオンシップ
【第1戦】
H:広島0−1川崎(広島)
川崎強い。(TV)
【第2戦】
H:川崎1−0広島(国立)
ラモスのループシュートには伏線があったため、ラモスにボールが渡りそうなときから私はTVの前で「ループが来るぞ!」と叫んでいた。ラモスは終盤、運動量が激減して前線に張っていた。あのループの前に一本ループ失敗があった上、コンディション的に強いシュートやドリブルはあり得なかった。それを見ぬけなかった広島GKはアホかと。この試合、ハシェックを封じたのはカピトン。(TV)
■1994天皇杯
【決勝】
平塚2−0C大阪(国立)
ニコスで躍進した平塚が勢いそのままに優勝。相手は昇格を決め、川崎を撃破して決勝進出したC大阪。前年の横浜Fと同じく、川崎を破ったチームが勢いそのままに決勝まで駆け上がってきた。(TV?D?)