古い日記

2005年10月からの古い日記です。各月をクリックするとその月の日記に行きます。 
  

あらすじ 教室公認で42歳のパートナーが居るのに、24歳の独身女性と仲良くなる話し

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年月日 タイトル 2005年10月1日から10月30日   
2005/10/1 「国勢調査」 5年に一度の国勢調査の日である。
私も前に市役所から調査員を任命されてやった事が
あるが、団地の住人が対象だったので記入用紙を回収
するのに苦労した経験がある。
原因は共稼ぎの家庭が多いからだが出勤前とか帰宅後
に届けてくれたら解決するのにと思っていた。
現在の住所は一般住宅地であるがみんでな協力したい。
今回の人口動態はどうなっているのか早く結果が知り
たいと思うが2ヶ月もかかるからのんびり待とう。

人口に関連して言えば私の通っているダンススクール
も近所のダンスサークルも男1に対して女3の割合で
ある。あとの男は何処にいるのか、何をしているのか
と思う。
2005/10/2 「薪ストーブ」 去年は寒くてストーブを焚いた事が記録してあるが
今年は幸いにも暖かく暖房は必要ないが近所の商店
から焚き付け用にダンボールを大量に頂いてきた。
これを短冊の大きさに切り焚き付けにする。
灯油は春から20円も値上がりしたし、二階の部屋
は薪ストーブで暖を取ることにしている。

こういう寒い時はダンスで汗をかいて体の中から
温めたいがパートナーは人妻だし踊りたいときに
踊れないのが都合悪いと思う。

独身の女をパートナーにしたい
2005/10/3 「ボーリング大会」 私の所属しているダンススクールで、親睦会の意味で
ボーリング大会を開催した。結果は1ゲーム目103
点、2ゲーム目162点、合計265点で何とか優勝したが、
1ゲームと2ゲームの差があり過ぎる。
私のパートナーは2ゲーム合計189点で8位だが、
それより悪いのが6人も居てみんな女性だった。

ゲームが終ってから向かいの焼肉店で焼肉パーティを
して楽しい1日を過ごした。
これからメダルテストやクリスマスパーティなどの
行事があるから一生懸命レッスンします。

 「内緒の話」
私のパートナーはぴちぴちズボンを穿いているので
お尻の輪郭が見えてどきどきしていました。

かえってフレアスカートのほうがふわっとして輪郭は
分からないと思った。
若しかして体の線を見せたかったのかも知れません。


2005/10/4 「48キロの
 パートナー
パートナーとワルツの練習をしているが、最後の部分
エンディングでアイススケートでもやっているように
パートナーを持ち上げて、その場で3回転する。
パートナーは48sもあるので2回から3回までなら
練習できるが、それ以上やり直すと両腕が痛くなって
持ち上げる事ができなくなる。
少しはダイエットしてもらいたい。40kgなら理想的だ。

2005/10/5 「その子は
    24歳」
ワルツのエンディングで、パートナーを持ち上げる

練習をしていたが、3回も持ち上げたら腕が痛くて

コーヒー飲みながら休憩していた。

48kgの人妻を持ち上げるのは結構疲れるのである。

「せめて、40kgの女は居ないかなー」

と隣に座っていた新人の若い子に聞こえるように

言うと「私、40kgですけど」と言う。

この女性は映画のshall we danceを見て感動し

ダンスを習い始めたという。スタイル抜群で

24歳で、名前を絵里子という。心が動揺した。

2005/10/6 「鉢合わせ」

本日練習日 パートナーと絵里子も来るという

鉢合わせする事になるがどうしよう。

絵里子は初心者だから技術的にはまだまだだが

何しろ40kgだから将来的に持ち上げて回転と

いう場面で役に立つ。それに何といっても若い

ということが男心をくすぐる。

足は細いしスタイル良いし困ってしまう。

2005/10/8 「パートナー
 機嫌が悪い」
この1週間ほど パートナーの機嫌が悪い。

そんなに怒ってると踊ってやらないからな。

原因は私が若い絵里子に関心を持ち始めた

からでふくれているのである。
2005/10/9 「雨で絵里子を
 送っていく」

私はすでにレッスンを終っていたが絵里子が

レッスンするので見学していた。

今日はパートナーは来ない日なので気兼ねなく

絵里子と話ができるからだ。

40キロの絵里子はスタイルに自信があるのか

レオタードにシースルーの巻きスカートを着け

て踊っている。腿の付け根まで見えるから私は

目の保養をしていた。

レッスンが終って帰る事になったが残念ながら

と言うかチャンス到来と言うか雨になった。

可哀想だから車で送っていく事になった。

私の車にはカーナビが装着してあるが絵里子は

初めて見るらしい。珍しいと言って画面に顔を

近づけるのでシフトレバーが入れ難い。

「もっと離れなさいよ」

「だって、カーナビ見るの初めてなんです」


絵里子の坐像、私が描いたアクリル画です。

私を見る目が色っぽいのでどきどきします。
 

(アクリル画に載せてあります)

2005/10/10 「ミニが
 良く 似合う」
絵里子は24歳。スタイルが良いのでミニスカートが

良く似合う。

今日も今日とて練習はミニスカートで踊っている。

私の胸は騒ぎ、私の心は躍っている。

2005/10/11 「絵里子の
 字画占い」
若い絵里子が教室に入会してから私の心は動揺して、

ちゃんとパートナーが居るのにそわそわしていた。

家に帰っても気になって字画占いを始めてしまった。

全体運 温厚で世話好きで心の優しい人

恋愛運 感情の起伏が多いので長続きしない

性格運 遠慮がちで消極的だが内助の功豊かな補佐役

職業運 派手な仕事、外見の良い仕事、情報処理関係


こんな運勢をダンスのパートナーとして見ると

何か私に合っているような気がする。

感情の起伏が激しいと言うから怒らせないようにして

踊れば今のパートナーより良いかも知れない。

2005/10/14 「両天秤」 昔々、学校時代に生徒の綾子と教師民子と両天秤をしていた。

今度はパートナーと絵里子の両天秤が始りそうだ。

二人とも両天秤は納得しない。どうしよう。

2005/10/15 「両天秤71番目」 毎日ダンスをしているわけではないが家に居ても

ダンス音楽を聴いたりビデオを見たりしている。

最近は新人の絵里子が気になって仕方が無い。

Yahooで「両天秤」を検索したら75000件も

あった。暇に任せてみていたら 71番目に私の

ブログ日記に書いた「両天秤」が見つかった。
2005/10/16 「夏の香りも
 両天秤 p1
 
韓国ドラマの「夏の香り」を欠かさず見ている。

全19回の放送は9月で終ったが10から再放送

されているので、これも欠かさず見ようと番組表

に 赤線を引いて見逃さないようにしている。

因みにこの放送はケーブルテレビである。


何故ここまで見たいのか考えてみると、両天秤と

いう自分のしてきた事や これからしようとして

いる事と同じだと気が付いたからである。

最初見たときから親近感のあるドラマだと思って

いたが再放送を見てから冷静に見るようになって

パートナーと絵里子がダブってきたのである。
2005/10/1 「華麗に踊る」 パートナーとは燕尾服着てパートナーもドレス着て

華麗に?踊ることが出来るが、絵里子はまだ教室で

習ったばかりのルンバをやっと踊っている。

人前で華麗に踊るのは何時になるだろうか。

2005/10/20 「もう一つの
 両天秤」

韓国ドラマに両天秤がまだあった。韓国人は両天秤

が好きらしい。
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韓国ドラマ「インビテーション〜"私"への招待状」

ストーリー (作品紹介の文章を引用)

学生時代から友人である三人の女性 ヨンジュ、

ミヨン、サビンと三人が関わる男性を通して、

それぞれのカップルの"恋"の形を描きながら、

恋愛とは、結婚とは、結婚までの純潔の意味、

セックスに対する価値観、そして、女性にとって

の真の幸福とは何かを描いたストーリー。
--------------------------------------------
三人の女性のうちサビンはドラマでは刺身の褄で

ヨンジュとミヨンの二人が一人の男性を取り合う。

男としては見ていて気分が良いが、これが一人の

女を二人の男が取り合うとなったらどうか。

ドラマ「夏の香り」がそれに当たるが私としては

こっちのドラマがパートナーと絵里子がダブって

いいと思う。
2005/10/21 「まだある両天秤」 韓国ドラマ「夏の香り」の前に放送されていた作品

「秋の童話」もやっぱり男女の両天秤が内容であり

よほど韓国人は両天秤が好きなのか、ユン・ソクホ

監督が両天秤が好きなのか、需要があるから供給が

あるのか、どっちか分からないが要するに両天秤が

内容なのである。


どうして男は一人の女を愛し続けないのか、または

どうして女は一人の男に満足できないのか、などと

客観的なことを言ってるが、パートナーの良い面も

あるがパートナーに無い溌剌とした絵里子の態度に

惹かれたりする。

私に言わせたらパートナーと絵里子の二人合わせて

一人前なんだと贅沢なわがままを言って弁解するが

当人にとっては許せない態度だと思う。
2005/10/22 「こっちも両天秤」 韓国ドラマにうつつを抜かしていたが、日本だって
両天秤の話は負けていない。
あの文豪夏目漱石も両天秤の小説を書いている。
先ず最初は、明治42年に発表された「それから」
という題名の小説である。

内容は、長井代助は愛しながらも義侠心から友人の
平岡に自分の女を譲り渡す。
後に平岡の妻になった三千代と再会して妙な運命に
巻き込まれていく。
破局を予想しながらそれに向かう悲劇の愛を描く。
簡単に言えば別れた女と焼けぽっくりに火が点くと
いう内容である。
三千代と言う女を代助と平岡が愛する話で両天秤は
今に始ったことではない。
2005/10/23 「門の中の両天秤」 漱石の二つ目の両天秤は明治43年に発表された
「門」である。内容は親友の安井を裏切り、その
妻であったオヨネと結ばれた宗助は・・中略・・
社会の罪人として、諦めの中に暮らしている。

これは人妻と一時的な浮気なんて程度のもので無く
人妻を盗んできて生活するのだから厳密に両天秤
といえないかも知れない。
昨日の「それから」もそうだが自分の妻を友人に
譲り渡したり、友人の人妻を自分の妻にしたり、
漱石はかなり過激な展開をする。
それにしても「それから」の三千代、「門」の
オヨネはどんな気持ちで夫と別れて友人の妻に
なるのか漱石に聞いてみたいと思う。
2005/10/24 「自殺する両天秤」 漱石の書いた両天秤第三番目は大正年に発表した
「こころ」である。
文庫本の裏表紙に書いてある粗筋によると、

 親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺した
ために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶという孤独
な明治の知識人の内面を描いた作品。 とある。
「それから」とか「門」では自分の妻を友人に譲り
渡したり、友人の妻を盗んできたりと結構過激だと
思っていたが、話がエスカレートすると自殺する
展開になっていく。


それに比べたら私の両天秤なんて可愛いものだ。
私の前に24歳で体重40キロの若い子が現れた
ので食事に誘ったり、覚えたばかりのルンバとか
ワルツを踊りにダンスホールに行っていた。
ダンスホールは中年オバサンばかりだから絵里子
が入場していくと注目の的になる。
それが嬉しくて私は有頂天になっていた。
2005/10/25 「バレーのように」 絵里子はまだ初心者だから仕方ないけど、ワルツの
2歩目がバレーのように跳ね上がる癖がある。
足でカウントしているようにも見える。
子供が歌う時に顔を縦に振るのと同じである。
後日分かったのだが、子供のころバレーを習って
いたという。なるほどそれで跳ねるのか。

2005/10/26 「透け透けルック 絵里子は小学校時代にバレーを習っていたという。
それでワルツの2歩目に跳ね上がるように動く。
それはいずれ直ると思うが、もう一つ気が付いたのは
レオタードに透け透けスカートを穿いていることだ。

スカートというかスカーフというか腰に巻いている。
透けているからスカートの役目を果たしていない。
お尻を隠すためなら透けない素材にするべきだけど
隠そうと言う意識は無いようだ。

若しかしてスタイルの良いのをオバサンたちに誇示
したいのではないだろうか。
他の若い子は膝の見えるスカートは穿いているが、
レオタードは着ていない。絵里子はバレーをしていた
からお尻の見える格好に慣れているのかも知れない。
お尻も小さいしワルツのエンディングで絵里子を持ち
上げて3回転するのをやってみたい。
2005/10/27 B型蠍座両天秤 パートナーと絵里子は共に血液型はB型で星座は
さそり座である。
年齢こそ41歳と24歳と離れているが、じっと
見ていると何となく似ているような気がする。

その一つが慌て者と言うか、おっちょこちょいと
言うか、来てから帰るまで1回は大ボケをかます。
2005/10/28 自宅前で鍵探し パートナーはさそり座のB型である。レッスンが
終ると近くのファミレスで食事をしてから帰る。
夜も遅いし一人で帰すわけに行かないから家まで
送っていく。そこまでは会話も弾むし美人人妻と
一緒だから楽しくて時間を忘れてしまう。
家の前まで来るとバッグを開けて玄関の鍵を探す
のだが、これが見つからない。
「無い、無い、どうしよう。家に入れない」
「膝の上に全部出してみたら?」
パートナーは膝を広げスカートの面積を広くして
バッグの中身をさらけ出した。鍵は有った。

これが初めてならB型のおっちょこちょいと笑う
ことも無いのだが、何回も同じことをしている。
「入れる場所決めておけよ」
「そのつもりなんだけどー」
「下の穴に入れておけば忘れないぞ」
そんなパートナーだから私は優越感をもって話し
が出来て楽しくて交際は止められない。
2005/10/29 車の中で鍵探し  パートナーはさそり座のB型である。
今日はさそり座は置いておいてB型の話しの続き。

週のうち一度は二人でレッスンを受けて、別の日に
二人でダンスホールに行く。
レッスンを受けた日はけっこう疲れるから食事をして
帰る事にしている。せいぜい10時には帰す。
しかし、別の日にダンスホールに行くとのんびりして
パートナーの家に着くのが12時前後になる。

あたりは静まり返って車が停まる音、エンジンの音が
隣近所に聞こえているはずである。
それなのにパートナーはまたまた鍵を探している。
「早くしないと旦那が目を覚まして出てくるぞ」
「いったん寝たら起きないから大丈夫だけどさ」
「そしたら隣の旦那が目を覚ますと思うな」
「それは有るかもね」
「そんな事言ってる場合か、まだかよ」
「ああ、あった」
こんな調子でぜんぜん反省の様子が窺えない。
もしかして本当に隣の旦那がカーテンの隙間から見て
いるのではないだろうか。
2005/10/30 絵里子も鍵探し パートナーも絵里子も偶然とはいえB型さそり座で
何か運命的なものを感じる。
絵里子はパートナーを意識しているからパートナー
の来る日はレッスンに現れない。
というか、私のほうもかち合わないように別の日に
レッスンしようと言ってある。

レッスンが終ると家まで送って行くがパートナーと
同じで鍵探しが始まる。B型のオッチョコチョイは
パートナーの専売特許ではなかった。
バッグの中を探しているがなかなか見つからない。
「こうしたら良いよ」
私は絵里子のバックをスカートの上にぶちまけた。
ところが絵里子はミニのタイトスカートを穿いてる
から物が落ちそうであった。
パートナーが穿いてるロングのフレアスカートとは
膝の広さが違っていた。  

そこで絵里子の膝を両手で広げた。すると絵里子は
「何するんですか?」
「この方が膝の面積が広くなると思って」
「そんな事言って、やめてください」
2005/10/31 絵里子は誤解し 困った事になってしまった。絵里子は誤解している。
私を痴漢扱いしているのだ。膝の上にバッグの中身
をさらけ出したから鍵は直ぐ見つかったが、すごく
怒っている。車を降りたとき怖い顔をして私に言う。
「考えておきますからね」
「だから誤解だよ」
弁解も聞かずドアを閉めると車から離れた。

ダンススクールの先生に訴えたらどうなるだろうか。
「車の中で私の足を無理やり開いたんです」
なんて言われたら私はダンスが出来なくなる。
私は家に帰る途中、今後の対処方法を考えていた。
でも、絵里子はB型だから一晩経てば考えも変わると
希望を抱いていた。
B型だから大丈夫。私は自分に言い聞かせていた。



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年月日 タイトル 2005年11月1日から12月31日    日    記
2005/11/1 江里子はB型 絵里子は怒ってもB型だから次の日にはけろっとして
現れると思うが、こちらからごちゃごちゃ言うと火に
油を注ぐようなものだと考えて、次のレッスン日まで
放っておく事にした。

2005/11/8 「反省してますか」 1週間ぶりに絵里子がダンス教室にやって来た。
何事も無かったように先生とレッスンを受けている。
私は片隅で一人でシャドーで踊ったり絵里子の動きを
見物しながらレッスンが終るのを待っていた。

レッスンが終ると休憩コーナーにある丸テーブルに行
き先生も絵里子もコーヒーを飲みながら話を始めた。
私も絵里子の隣に座りコーヒーを飲んだ。
話が途切れたところで先生は私に当たり前のように
「ちゃんと家まで送って行きなさいよ」
「はい、送って行きます」
その時、絵里子が1週間前の事を言い出すかと思った
が何も言わないので安心した。

駐車場は建物の裏にあるが通路は玄関の左側にあって
私は左に向かおうとしたら絵里子は後ろから呼び止め
「この間の事、反省してますか?」
「誤解招くような事してゴメン、反省してます」
「反省してるなら態度で示してください」
「いいよ、どうしたら良い?」
「おいしい物食べに連れてってください」
「ああ、そんな事か。良いよ何でもご馳走する」
「パレスホテルのイタリア料理食べたい」
そんな訳で両手で足を開いた罪はイタリア料理で結審
した次第である。
先生にチクらないでくれたし、パートナーに知られず
に済んだからイタリア料理くらい安いものである。
2005/11/16 「絵里子をリフト」  
 ダンススクールにアルバムがある。というより写真屋
が各大会を撮影したものを見本として持ってくる。
出場した私達は見本を見て、番号、枚数、金額、氏名
などを袋に記入してお金を中に入れて注文する。

写真屋は見本をそのまま置いていくから教室ではアル
バムとして大会ごとに保存してあるというわけだ。
ダンスファンとかの月刊雑誌も良く見られているが、
何回も見たアルバムを時間潰しに見たりしている。

ある日、時間待ちをしている絵里子がアルバムを見て
「早く上手になって、持ち上げて欲しい」と言う。
体重はと聞けば40キロだというから簡単に持てる。
パートナーは49キロだと言うから9キロも軽い。

それに付けても女が49キロと言う時は絶対50キロ
超していると居ると思うが皆さんどうですか?。
まして、私は「50キロ越えたら別れるから」などと
言ってあるから、尚更49キロと強調してると思う。

同じ教室に24歳で独身で40キロの女が現れたから
パートナーは絵里子に乗り換えられないように、私に
嘘をついているのが見え見えだ。違うかなー。
体重計があれば無理やり検査してみたいなんて思う。 
2005/11/17 「絵里子はお嬢様」  
その1、絵里子のレッスン後、ダンススクールの近く
    にあるファミレスに、鍋焼きうどんを食べに
    行った。絵里子は「蓋が熱い」と言って私の
    顔を見る。私だって熱いからハンカチで取っ
    てあげた。お嬢様だと思いつつ食べたうどん
    は旨かった。
その2、絵里子と座った席は小上がりになっていて、
    靴を脱ぎ上がると掘りコタツになっていた。
    食べ終わってさて靴を履こうとしたら絵里子
    のブーツが倒れている。「誰か倒したー」と
    私の顔を見る。私は先に小上がりに上がった
    から絶対に私ではない。ママさんがオーダー
    に来てうっかり倒したと思うが、絵里子は
    立ったまま居るので、私はブーツを立てて
    倒れないように両手で押えて足を入れるのを
    助けた。 お嬢様だと思いつつ絵里子の足を
    眺めていた。

そんな絵里子と私の様子をファミレスのママはじっと
眺めていたのだ。視線に気が付いてママを見ると不機
嫌丸出しと言う顔をしていた。若しかしてパートナー
にチクルかも知れない。でも商売人はいちいちチクっ
たりしたりしないだろうし、秘密にすると軽く考えて
居た。
2005/11/18 「絵里子のお嬢様」 
    絵里子のお嬢様の話はまだ続きがある。
その3、ファミレスの床と歩道には50センチくらい
    の段差があるのでコンクリートの階段を設置
    して出入りするようになっている。
    昔の住宅を店に改造したので床の高さが高い
    と思う。最初から店として設計したら段差は
    作らないからである。
    私は先に店を出で階段を降りると絵里子は手
    を伸ばす。こんな階段くらい バスの昇降口
    よりは低い高さだから私が手を添えて手伝う
    事も無いはずだけど、お嬢様だと思いながら
    下りるのを助けてあげた。
その4、駐車場に向かう途中に、アスファルトが窪ん
    で水溜りになっている所が2箇所ほどある。
    男なら大股開いて渡れる大きさだけど絵里子
    はそこでまた手を伸ばす。
    自然に私も手を伸ばして介添えしてあげた。
    2箇所目の水溜りはさっきより小さく介添え
    は要らないと思っていたら、体をよじらせて
    「優しくしてくれなきゃ嫌」
    「はいはい、お嬢様」
    私は手を伸ばして水溜りを越えさせた。
それにしても今日の絵里子はどうかしてる。
こうして二人で歩くのはもう4回目くらいなのに前に
こんな手を出したりしなかった。何か企んでいるかも
知れないが今の私には訳分からない。
2005/11/19 「絵里子もお嬢様」       田園調布のお嬢様と言えば本物のお嬢様だけど絵里子
    のお嬢様はぶりっ子お嬢様、偽お嬢様である。
その5、駐車場に着いたので私は鍵を差込みドアを
    開け運転席に乗り込んだ。前回まで絵里子は
    自分でドアを開けて助手席に乗ってきたのに
    今日は黙って立っている。
    また何か企んでいると思いつつ車を降りて
    左側に回った。
    「寒いー」
    「はい、お嬢様。失礼しました」
    私は助手席のドアを開けて絵里子を乗せた。
    車を走らせながら絵里子に聞いた。
    「今まで自分でドア開けたくせに」
    「パートナーさん触った所、触りたくない」
    「そうか、それで分かった」
    絵里子はパートナーを排除して私に近づこう
    としているように感じた。
2015/11/20 「絵里子とお嬢様」  絵里子はけっこうぶりっ子で階段降りるのに手を出し
介助を求めたり、ブーツ倒れていて履けないとダダをこねたり
挙げれば切りが無い。
それで私も「はい、お嬢様」と答えているが私が冗談
言ってるのが絵里子は解っていて二人でお嬢様ごっこ
をしているのだった。
その6、車が家の前に着いた。先週までは自分から
    ドアを開けて降りたのに今日は前を見たまま
    座っている。仕方なく私は車を降りて左側に
    回った。パートーナーが触った所は触りたく
    ないなどと言って、私にドアを開けさせよう
    としている。
    「はい、お嬢様つきました」
    「どうも有難う。おやすみなさい」

絵里子は鍵をバッグから出し玄関に向かった。
私は車に乗って絵里子が家のドアを閉めるのを
確認してから走り去った。
絵里子は次回はどんなぶりっ子する気なのだろう?。
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2005/12/19 「絵里子ホールに」
  
絵里子がレッスンに現れた水曜日、毎週、パートナー
と行っているダンスホールに連れて行った。
「たまにダンスホールに行ってみないかい?」
「あっ、行きたい。行きます」
「何時も行ってるホールなんだ」
「パートナーさんと行ってるホールでしょう?」
「マスター、きっとびっくりすると思う」
「私が若いからでしょう」

絵里子は回りにはオバサンばかりなのを分かっていて
得意げであった。店に着くなりマスターに言った。
「今度からこの子を連れてくるからね」と言うと、
「またYOHさん若い子見つけて来たね」
「宜しくお願いします」
絵里子も素直に挨拶していた。
しかし、マスターは意外な顔をしていた。心の中では
「今までのパートナーはどうしたの?」
と言いたいのが顔から態度から見え見えであった。
2005/12/20 「パートナー欠席」
このところパートナーはレッスンに出てこない。
母親の具合が悪いという話である。早く元気になって
またレッスンに出てきて欲しいものだ。
もし出てこないときは、絵里子を本気になって新しい
パートナーにするかもしれないぞ。

日本では長男の嫁は親の介護で犠牲になるようだ。
旦那さんには姉と弟がいるが、もっぱら母親の面倒は
長男がしている。しかし、パートナーに話によると、
旦那の親なのに実際には何もしてくれないという。
血の繋がらない旦那の親の介護だから神経も使うし、
精神的に落ち込むのだという。

そんな状況だからダンスどころではないらしいが、
逆にダンスをして鬱憤を晴らしたら良いと思う。
そんなに辛い思いしてるのに絵里子とへらへらしてる
のはまずいのかも知れない。
だけど、可愛い絵里子を見るとつい軟弱になる
2005/12/21 「二人とも24歳」
縁があって会社を退職し、A高校に赴任した時、
音楽教師の民子先生も新卒採用で赴任してきた。
私のほうが5年も年上だが同じ年に赴任したということで
何かと話す機会が多く付き合うようになる。
民子先生が24歳になったとき二人の間には一大事件
が起きて25歳になる前に私の前から消えて行った。

そして、時が流れて24歳の絵里子が私の前に現れて
年齢の偶然にびっくりする。
絵里子を見ていると昔の民子先生とイメージがダブリ
そばに居ると間違って抱きしめたくなる。

絵里子とは知り合ったばかりて抱きしめたりしたら、
痴漢扱いされるに決まっているから理性で抑えるしか
ないのだ。

すでに以前に、車の中で痴漢と誤解されているから、
二度と誤解されないように、自然に抱き合える関係に
なりたいと思う。
2005/12/22 「24歳と42歳」
現在のパートナーは42歳の既婚者である。そして、
若しかしたら近い将来パートナーになるかも知れない
絵里子は24歳の未婚者である。
同じ2と4の数字だが、並べ方で随分と感じが変わる
ものである。

24歳と42歳とどちらか良いかといえば、当たり前に
絵里子24歳が良いに決まっている。
この事を日本中の男性に質問しても限りなく100%
に近い人が24歳と言うはずである。
どうせ踊るなら付き合うなら若い方が良いと思う。

そして、独身者は行動が自由であるが、人妻は夫とか
子供の事で外出が制限される。パートナーのように、
夫の母親が入院して介護しなければならないとなると
簡単には外出できないことになる。
そういう意味でも制約の無い絵里子が都合がいい。
2005/12/23 「絵里子は体重偽証」
最近テレビや新聞で建築関係の偽造・偽証などが問題
になっているが、私の身近にも偽証問題が発生した。
パートナーは49キロで持ち上げて回転するのはきつい。
私は痩せている絵里子に聞こえるように言った。
「体重40キロなら簡単に持ち上げられるのにな
 40キロの女は居ないかな」

すると、絵里子は「わたし40キロです」と答えたが
パートナーの居ないところで言い訳をしたのだ。
「本当は少し越えているんですよ」
と手を出して親指と人差し指を折り曲げて3本の指を
立てて見せる。
そのしぐさが可愛くてメロメロになり怒れなかった。
最初は40キロと言ったが、本当は43キロだった。
まあ3キロくらいは許容範囲だから目をつぶろう。

でも、パートナーはそのことを知らないから、もしも
43キロという事が分かったら偽証だとして教室中の
オバサンたちにバラシテ歩くのではないか。
ここは二人だけの秘密にしておこう。
きっと後で何か良いことが有ると思う。
2005/12/26 「絵里子を連れて」
若い絵里子を連れてダンスホールに行ったり、食事に
連れて行ったりして得意になっていたら周囲の人達の
視線が冷たいのに気が付いた。

ダンスホールに来るオジさんたちは若い絵里子に対し
羨ましくて、その反動として私や絵里子に冷たい視線
をしているようだ。

そして、女性の方が冷たい視線は強烈であった。
冷たいどころか氷の視線と言った方が良いだろう。

札幌なら学連があるからそれなりに若い男女がホール
に居るが、こんな地方都市では社交ダンスといえば、
子育てが終ったオジサン・オバサンがやるものらしく
若い人は見向きもしない。

こっちだって大学が4つもあるのに学連の支部くらい
出来てダンス界を活性化してもらいたいものだ。
そうすれば絵里子みたい24歳の女性がダンスホール
に行っても冷たい視線を浴びる事は無いと思う。
2005/12/27 「絵里子と中年女」
ダンスホールに来るオバサンたちは40代と50代が
殆どである。中年女は年齢を意識しているから絵里子
みたいな若い女性が目の前に居ると、目障りで嫉妬し
敵対心を燃やして絵里子に対抗する。

オジサンたちは私に対して羨望の眼差しを送るけど、
敵対心を持つという感じではない。
男と女では絵里子を見る目が違うようである。

共通しているのは初心者の絵里子に見せ付けるように
曲が掛かるとすぐ立ち上がって踊り始める。
「僕は私はこんなに踊れるんだ」というところを見せつける。
絵里子も素直に「すごーい」と言う。

曲の途中から絵里子とやっと覚えたステップを四角く
ぎこちなく踊り始める。
そのうち絵里子だって優雅に柔らかく踊れるように
なると思う。まあ1年後を見てなさい。
2005/12/28 「絵里子に周囲は」
誰と一緒に居ようが私の勝手だと思うけど、絵里子と
居ると周囲は冷たい目で見ている。
これ以上大ぴらに二人で行動していると、パートナー
にチクられるかも知れない。
絵里子は逆にパトナーと争う気でいるから若さを武器に
冷たい目で見られようがチクられが気にしていない。

若しパートナーに知れたら怒ったパートナーは絵里子
と掴みあいの喧嘩になるかも知れない。掴み合いほど
でないにしてもオバサンたちを味方につけて絵里子と
私は非難され孤立するかも知れない。

チクラレないようにするためには、このダンスホール
でなくみんなが行かない郊外の小さなホールに行こう
とか考えていた。
絵里子の家とは逆の方角になるがトラブルを避ける為
遠いことなんか言ってられない。
2005/12/29 「先生は浮気して」
私のパートナーが久しぶりにレッスンに出てきたので
ペアレッスンをしてから何時ものファミレスに行く。
その店のママさんは「先生は浮気してたよ」とチクるので
私は慌てて打ち消した。
「浮気なんて人聞きの悪いこと言うな」と反論すると
「言うよ。若い子連れて浮気してたよ」と反抗的だ。
もう、絵里子をこのファミレスに連れてこれないと思った。

パートナーは私を信用していて、ママさんの発言にも
「ああ、絵里ちゃんと食事に来たんだよね」
「そうだよ、食事に来ただけだよ」
「わたし、ずっと来れなかったからね」
「何時も食事して帰る習慣だったからな」
「絵里ちゃんとは食事だけでしょう?」
「そうだってば、食事だけだよ」

話の成り行きでパートナーに嘘をついてしまった。
食事の後でダンスホールに行ったのは言わなかった。
後でやばい事になるかも知れないが今はこれしか思い
付かなかった。
2005/12/30 「絵里子は積極的」
趣味を持つものはみなそうだと思うが、絵里子も例外
ではないようだ。ダンスを習い初めて間もない頃に、
ダンスホールに行きたいなどという。

私も若い子を連れて歩くのは嬉しいし自慢でもあり、
殆ど踊れないのに連れて行った。「今日は見るだけ」
なんて言ってたが、ブルースを踊った。

ブルースばかり何回も踊っているうちにステップ軽く
なって、滑らかに踊れるようになった。
それにしても、ウエストが細くて折れそうだ。

体重は43キロというのは分かったがウエストはどの
くらいあるのだろうか。あまり身体のことを聞いたら
悪いと思って聞いていない。
2005/12/31 「ガマンしなさい」
ファミレスのママはパートナーに「浮気してたよ」と
チクったが、パートナーは善意に解釈している。
「私が休んでた時、食事に来ただけでしょう」

だからもう一つ可能性があるか聞いてみた。
「これ以上休んでいたら、絵里ちゃんとダンスホール
に行ったかも知れんぞ」
「何さ私が居るのにイヤらしい。ガマンしなさい」
「やっぱりな。駄目だよな」
「男って、若い子見るとすぐこれだからね」

パートナーに内緒で絵里子とは何回もダンスホールに
行ってるのにまだバレていない。
ホールのマスターも従業員も口を閉ざしていてくれるが、
常連のお客さんたちがバラスかも知れない。

街中のホールに行くのは限界のような気がする。
「ガマンしなさい」と言うくらいだから、もし絵里子
と踊りに行ってるのがバレたら喧嘩になる。
少し自粛するか隣町のホールに行くかどちらかだ。
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d200601

 2006年1月の日記

2006/1/4
「絵里子と札幌に」

4日からダンス教室は営業を開始した。

差し迫った行事は無いけど、いつものメンバーが顔を

出した。パートナーだけは家族がどうのこうのと言って

出てこなかった。絵里子とは約束した訳でないが

偶然来ていて今年の付き合いが始まった。

絵里子とダンスホールに行ってるのはパートナーには
秘密だけど、ファミレスのママは「浮気してたよ」と
パートナーにチクるし、何時秘密がばれても仕方ない
状況になってきた。もう市内のホールには行けない。

絵里子に「もっともっと上手になったら札幌に踊りに
行こう」と誘ってみた。するとにこにこ喜んで答え、
「行きたい、行ってみたい。早く上手になりたいわ」
と身をくねらせる。
市内では周囲の目がうるさいから、私たちを知らない
札幌に踊りに行きたいと提案したのだった。

絵里子は独身だし、少しくらい帰りが遅くなっても、
問題は無いと思うし、一石二鳥だと判断した。

  2006/1/5

「絵里子にビデオ」

私が以前に出場したダンスパーティのビデオがある。
絵里子に「ビデオ見るかい?」と言ったら身をよじり
「見たい、見たい」と言う。
いろんなビデオは有るがダンスは一つも無いという。

ビデオを参考にして少しでも早く上手になって札幌に
踊りに行きたい。
札幌なら何処のホールに行っても私の顔を知っている
人は居ないからきょろきょろしないで踊れる。

初心者には私のビデオ見てもあまり参考にはならない
かも知れないが別な意味で自慢したい気持ちもある。
このビデオにはパートナーとワルツ、先生とモダンの
セグエを踊っているのが撮影されている。

2006/1/6

「絵里子は願望を」  

人間にはそれぞれ仕草とか身振り手振りに癖があるが
絵里子は願望を身体全体で表現する癖がある。
「見たい」「したい」「行きたい」などというときは
必ず身体をくねらせる。

この仕草が可愛くてたまらない。もし絵里子にこんな
仕草で「パートナーさんと別れてください」なーんて
身をくねらせられたら、私はきっとメロメロになって
別れるかも知れない。

どうして絵里子はこんなに可愛いのだろうか。
冷静になって考えるともう24歳だし、子供みたいな
仕草は不自然のはずだが絵里子に限っては全然不自然
では無いのである。

むかしむかし、松田聖子がぶりっ子と言われていた。
小学生の女の子なんかは何もしなくても、ただ立って
いるだけで可愛いし、大人になってぶりっ子するから
可愛いと感じるのか。そうなると絵里子のぶりっ子は
松田聖子と同じ演技しているぶりっ子という事か。

2006/1/7

「お尻をぶつける」  

レッスンが終ってからパートナーと近くのファミレス
に行ったときの事である。ママさんは私の後ろに居る
女性が絵里子でなくパートナーだったのでにこにこと
機嫌よく迎えてくれた。

そこまではよくあることだけど、パートナーがトイレ
に直行して二人きりになったとき、ママさんはお尻を
私にぶつけてきたのだ。
突然の事だったので大きなお尻のケツ圧?に負けて、
私はよろけてしまった。

「何するのさ、ママさん。転ぶところだったぞ」
「この浮気者。パートナーに悪いと思ってるかい?」
「浮気なんかしてないってば」
「あの雰囲気は普通でなかったからね」

私の絵里子に対する態度はママさんから見て普通で
無かったみたいだが、私が理解できないのはお客さん
にお尻をぶつけてくるなんてどんな心理状態だろう。
ママさんの態度だってパートナーが見たら普通でない
と思うに違いない。
ママさんも私のこと好きなんだと思う。

2006/1/8

「絵里子は極端だ」  

絵里子は私と話をするとき、「もうイヤダー」とか、
「ちょっと」なんて言いながら肩を叩いたり、腕など
を押したり大袈裟に表現する癖がある。
最初から見ると少しずつお嬢様ぶっていたのが慣れた
のかメッキが剥がれてきたと思っていた。

ところが、ある日たまたまパートナーが現れると両手
を膝に重ねるように置いて「まあ、そうなんですか」
とか「早くパートナーさんみたいになりたいわ」とか
元のお嬢様に戻っていた。

本性を知っている私にとって、絵里子の極端な態度に
可笑しいやら楽しいやら、よくこんな演技が出来ると
感心しながら隣で見ていた。

パートナーとか教室の先生とか、他のオバサンたちの
前で「良いとこのお嬢様」とぶりっ子したいらしいが
オバサンたちと張り合うためか、特にパートナーとは
若さや可愛らしさを強調して張り合いたいらしい。

2006/1/10

「絵里子は超ミニ」  

ダンススクールにはレッスンを見学できるように3人
掛けのソファがあちこちに置いてあるが、部屋の隅に
コーヒーやお茶を飲んだり、おやつを食べたりできる
コーナーがある。

そこにはテレビとビデオデッキも設置されている。
レッスンに迷惑が掛からなければ先生の許可を得て、
ビデオ鑑賞出来るようになっている。

ある日、絵里子とダンスのビデオを観ていたら、若い
女性がミニスカートで踊っている。私は羨ましそうに
「若い子のミニスカートって良いね」と言った。
その日は、膝が見える程度のスカートだったのだが、
次から超ミニスカートで現れるようになった。

絵里子が一人でシャドーをしている時などに
オバサンたちは焼もち半分に囁いていた。
「これ見よがしにあんな短いの穿いてるよ」
「スタイルの良いとこ見せたいんでしょう」

オバサンたちから見たら超ミニは見たくないらしいが
私から見たら目の保養になるというか、好ましい情景
である。これからも超ミニスカートで踊って欲しい。

2006/1/11

「絵里子を家まで」  

パートナーやスクールの先生が居る時はお嬢様ぶって
いるが私と二人になるとお嬢様がギャルに変身する。
ダンスのレッスン後、絵里子に「車で送るよ」という
と「やったー」と飛び上がる仕草で喜ぶのである。

24歳の女性が「やったー」なんて言うかと疑いたく
なるが、しかし、それがまた可愛くて仕方が無い。
それで今夜もまた、絵里子の家までドライブ?する。
この「やったー」は演技で言ったり跳ねたりしていた
としたら、やっぱ絵里子はぶりっ子という事になる。

これが家でなくてラブホに行くのならどんなに嬉しい
かと思うが、まだそんな雰囲気になっていない。

膝を触ったくらいで痴漢扱いするくらいだから、私が
考えているほど気持ちは高まっていないで、私の事を
アッシー君くらいにしか思って居ないとしたら余りに
ギャップが大き過ぎる。

2006/1/12

「絵里子の本心は」  

絵里子は市内で一、二を競う大きな病院で医療事務を
している。
「新しい事に挑戦したい」と言って前の会社をやめて
勤務時間のはっきりした現在の病院に勤めてダンスを
習い出したのだった。

前の会社には彼氏も居たのに逃げてきたのだろうか。
彼氏よりもダンスの方が良いのだろうか。
あまり詳しくは聞いていないが、喧嘩別れしていない
ようだから、彼氏が物足りなくなったのだろうか。

彼氏が居るのに職を変えたり、私みたいな親父と一緒
にダンスホールに行ったり、食事に行ったり、そして
家まで送って行ったりしている。
絵里子は彼氏と私を両天秤に掛けているのだろうか。

少しずつ絵里子のことが分かってきたが、今後彼氏は
どうする積りだろうか?。彼氏だって絵里子のそばに
私が居たら面白くないはずだし、これからどうなるか
彼氏と取っ組み合いの修羅場は避けたいと思う。

2006/1/14

「絵里子の裏と表」  

パートナーがレッスンに出て来る日は絵里子は来なく
なったとホツとしていたらどういう風の吹き回しか、
「わたし行きます」と言う。
「その代わりYOHさんを困らせる事はしません」と
言ってくれた。要するに私とは親しく話しないという
態度で居るらしい。

絵里子とダンスホールに行ってるのはバレていないし
話の端々に感ずかれるような言葉が出てきたら困る。
そのためには余り話もしたこと無いような態度でいる
のがお互いに良いとおもう。

パートナーにばれないように気を使ってくれるのは、
嬉しいことだが顔を合わしていながら全然話もしない
のは寂しいと思う。でも今はガマンしよう。

それにしても、絵里子はパートナーの前で私とは何も
無いという顔をして対抗心を燃やしているのかな。
YOHさんと秘密を持っていますと心の中で優越感を
持って居るのだろうか。
そう考えると何も言わない絵里子は怖いと思う。

2006/1/15 「札幌のホールを」
絵里子と旭川のダンスホールに行くとパートナーに
知られてしまうから「札幌に踊りに行こう」と絵里子
に言ったら「行きたい、行きたい」と身をくねらせて
承諾してくれていた。

札幌で開催されたダンス競技大会のプログラムが教室
に置いてあるので見ていたら後ろの方に広告があって
ダンスホールが出ていた。
その所在地、電話番号などを紙に書き写していた。

そこへパートナーが近づいてきて「何してるの?」と
覗くのだった。私はドキッとしたが、それ以上は何も
言わないので私も知らん顔していた。
しかし、チラッと絵里子の方を見たから女の第六勘で
悟られたかも知れない。危ない。危ない。
2006/1/16
絵里子が私に近づいた理由、その1
私の通うダンススクールでは自分で言うのも照れるが
一番技術が上であり、スクール主催のパーティがある
ときは10組以上のデモがある。
その中で私が一番最後に踊るからである。

絵里子がスクールに入会してきた時、私の技術に関し
何も知らなかったが、備え付けのアルバムを見たので
特に教えたわけでもないのに知ったようだ。

私もダンスを始めた頃は同じ程度の女性よりベテラン
の人と踊ってみたいと思っていた。
絵里子も早く上達するために私に近づいて来たと思う
のである。
2006/1/17 「近づいた理由2」
 
携帯電話のFを押すとツールと言うのがあってその中
にスケジュールを書き込めるようになっている。

ダンススクールでダンスの行事を入力していたら隣に
いた絵里子が携帯の裏に貼ってあるプリクラを見つけ
「見せて、見せて」と身体をよじるのである。
「この子、可愛いね。だーれ?」と目を光らせる。
この目は嫉妬した時の目である。絵里子は私のことを
好きで近づいて来たみたいに思ってしまう。

「そうだ、可愛いだろう。生徒だよ。プリクラ欲しい
と言ったら明日まで待ってと一人で写して来たんだ。
普通女の子はプリクラは二人で撮るだろう。この子は
私のために一人で写してシートごとくれたんだよ」

「ふーん、それほどYOHさんのこと好きなんだ」
「そう、私もこの子大好き。相思相愛なーんてね」
「生徒を好きになっては駄目、問題になりますよ」
「大丈夫、本当は絵里子ちゃん好きだから」
「本当?、私もYOHさんのこと好き」

何て言ってるけど言い方に儀礼的な雰囲気を感じる。
いざとなったらまた痴漢扱いされるのでは無いかと
猜疑心を抱いてしまう。それでも今の私にとっては
嘘でも良いから好きと言ってくれたのが嬉しい。

2006/1/18 「近づいた理由3」
 
絵里子は道立A商業高校出ている。PCが得意でそれ
を生かせる仕事がしたいと現在の職場に就職した。
私は私立A高校商業科の先生ということで親近感から
学校の話をしてもすべてで話が合う。

道立と私立の違いは有っても授業の内容はほとんどは
同じだから話が合うのも当然である。
絵里子の資格取得状況を教えてくれた。
全商情報処理 1級
全商商業簿記 2級
全商商業経済 3級
全商秘書    3級
全商ワープロ  2級
全商電卓    2級
全商英語    2級

まあまあの取得状況で、これくらいなら私立の生徒も
取得しているが、「7個も取ってすごい、すごい」と
褒めておいた。
人間褒められると気分良くなるもので、そんな事から
私の事を意識して好きになって近づいて来たと思う。
2006/1/20 「近づいた理由4」
あれこれと絵里子が私に近づいた理由を挙げてきたが
絵里子と一番最初に言葉を交わしたのはパートナーを
持ち上げて3回転するとき50キロの体重に耐えかね
「40キロの女は居ないかな」と言ったら、すかさず
「わたし40キロです」と答えた。

絵里子はパートナーを持ち上げられて宙に舞うシーン
を見て自分もして欲しいと思ったのだ。
「早く上手になって持ち上げて欲しい」と言った。
「40キロなら簡単に持ち上げられる」と答えた。

きっとパートナーに羨望して、嫉妬しておじさんの私
に近づいたと思うのである。
そうでなければ親子以上に年齢の離れた私に近づく
筈が無いからである。
2006/1/21 「近づいた理由5」
長年ダンスをやって来て不思議な出来事がある。
 最初のパートナーは33歳から3年間付き合った。
2番目のパートナーは26歳から3年間付き合った。
3番目のパートナーは24歳から3年間付き合った。
4番目のパートナーは35歳から付き合い現在に至る
のだが、ここに絵里子24歳が現れたのである。

まだ絵里子はパートナーと決まったわけではないが、
早く上手になって持ち上げて欲しいなんて言う。
絵里子は今のパートナーと張り合うつもりらしい。
それは何年後になるか知らないが、パートナー予備軍
であるようだ。

この5人の女性に共通しているのがB型である。
わがままでオッチョコチョイで考えないで物を言い、
私はそのたびに右往左往させられるのだが、不思議と
腹は立たず直ぐ許してしまう。
というか、B型の女と一緒に居ると妙に楽しいのだ。

今までのパートナーも絵里子もO型の私に惹かれて
近づいてきたのではないだろうか?。
5人とも同じB型というのは偶然にしては出来すぎて
いる。偶然ではなく不思議、神秘、奇跡とか神の力が
働いているとしか言いようが無い。
2006/1/22 「新しいサークル」 
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

妻が社交ダンスを始めてかれこれ2年くらいになる。
最初は週1だったのが、少し踊れるようになり特定の
相手が出来たりすると練習日以外にも出かけるように
なった。さらに臨時で出かけることもあって私は妻を
会場まで送り迎えしていた。

私は留守番していたが、社交ダンスってそんなに良い
ものかと妻のサークルに見学に行った。
妻が楽しそうに踊っているのを見て私もダンスをして
みたいと思うようになった。

妻のサークルに入れて貰おうとしたら妻は反対した。
「みんな一通り踊れるようになってるから、あんたが
入っても着いて行かれないよ。もし入るとしても他所
のサークルにしなさい。うちのサークルは駄目だよ」
とにべも無い。

確かに一通り踊れるサークルに私が入っても苦労する
のは明らかだけど、妻は特定の男性が居るからいつも
私がそばに居たら都合が悪いのが本音だと思ったが、
妻はそれを言わないので私も言えなかった。

他所のサークルと言っても私は何処に有るか分からず
またしばらく月日が経ってしまった。
有る日、妻が新聞の折込みちらしを見て私に勧める。
「新しくサークル出きるみたいだよ、入りなさい」

「そうだね、いつも留守番ばっかりだったからね」
「何かやっててくれたほうが私も都合いいからさ」

妻は事務局に電話して私の入会の申し込みをした。
どうしても妻は自分のサークルに入れたくないので、
新しいサークルに勝手に申し込んでしまった。
そういうわけで、妻の勧めがあって新しく結成された
サークルに入会したのだった。

2006/1/23 「35歳の女教師」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

4月の第2週からサークル活動が開始された。
最初と言う事で教室から60代の大先生が見えていた
がサークルの教師は30代の女性が担当だった。
若くてもダンス教室からカルチャーセンターに派遣さ
れて来ているプロの教師である。
男性が12名、女性が18名、合計30名が入会して
いた。会員の年代は20代、30代、40代で未婚と
既婚半々だった。

挨拶が終わるとレッスンが始ったが、Pタイルの継ぎ
目にそって真っ直ぐ歩けと言う。
そんな簡単な事と5人ずつ交替で歩いたが、ぜんぜん
ふらついて歩けない。何回もやらされてコツも分かり
歩けるようになった次は柔軟体操をやらされた。
こんな事を30分もやらされて少し退屈していた。
早く妻のサークルみたいに男と女が組んで踊りたいと
思っていた。

休憩時間になると大先生は教室があるからと帰った。
助手先生は休憩時間を利用して出席を取り出した。
若い子のうち可愛い系の名前とか、既婚者でも美人系
の名前を覚えようと必死だった。若い子は亜紀と言い
既婚者は紗智子と言う名前だった。
休憩後はマンボとドドンパとブルースを習った。
2006/1/24 「人妻紗智子さん」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

3ヶ月くらいは技術習得に一生懸命?であったので、
あまり日記に書く内容が無いが、女性の人数が多くて
一曲ずつ交代で踊っているうちに20代の独身女性の
亜紀さんが1番踊りやすいのが分かってきた。

2番目に踊りやすかったのが35歳人妻の紗智子さん
だった。この人妻は気さくな性格で何かと話しかけて
くるようになった。

私としては独身の若い子と仲良くなりたかったのだが
思うように行かず、何時の間にかパートナーみたいに
なってしまった。4ヶ月目くらいからサークルの人に
内緒でホールに踊りに行ったりしていた。

まだ大した踊れなかったが、二人で座っているだけで
楽しくて妻の出かける気持ちが理解できた。

2006/1/25 「初心者出入禁止」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。
人妻紗智子さんとサークルが終るとみんなには内緒で
ダンスホールに寄って行くようになった。
習い始めて3ヶ月を過ぎるとある程度は踊れるように
なりホールで披露というか、実習してみたくなる。

サークルで一番上手な亜紀さんを誘いたかったのに、
紗智子さんは何かと私に話しかけてくるので誘う相手
は亜紀さんでなくても、人妻紗智子さんで良いと思う
ようになっていた。

サークルが終るとみんな一斉に会館を出るとバス停に
向かう一団と近くの有料駐車場に向かう一団に別れる
が、私と紗智子さんはバス停に向かう一団に混ざって
歩いていた。
バスは郊外の5方向に出ているから停留所も5か所で
三々五々散っていく。
そんな訳で私と紗智子さんと二人で歩いても最初の頃
は疑惑を持たれることは無かった。

ところが誰かが私たちの後を付けたのが居るらしい。
次のサークルに行った時、助手先生は言うのだった。
「まだ形が出来ていないうちにホールに行かないで
 下さいね。行く時は私も一緒に行きますからね」
そういうわけで私たち初心者はダンスホールに出入り
禁止になってしまった。

しかし、私と紗智子さんは禁止を無視してサークルが

終ると何時ものようにダンスホールに通っていた。
あんな楽しい所を禁止するのが可笑しいと思ったし、
助手先生も1回禁止しただけでその後は言わないから
いい気になって楽しい一時を過ごしていた。
2006/1/27 「仲間と接近遭遇」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。
 
サークルに入会して4ヶ月が過ぎた。人妻紗智子さん
とサークルが終ってからみんなに内緒でダンスホール
に通っていたのだが、とうとうサークルの仲間に見つ
かってしまった。

ある日、サークルが終って何時ものように停留所にて
みんなと別れてダンスホールに向かっていたが後ろに
人の気配がする。50メートルくらい離れているが、
サークルの仲間と言う事ははっきり認識できる。

事もあろうに私が一番仲良くしたかった女性亜紀さん
が30代の男性鈴木さんとこちらに向かって歩いてくる。
どこか近くの喫茶店にでも行くと思っていたらホール
のある角を曲がったのに尚も後を付いてくる。

いずればれる時は来ると覚悟を決めてホールのドアを
開けて中に入った。
間も無く鈴木さんと亜紀さんが入ってきた。
「いやー、どうも」「ああ、どうも」
挨拶になっているような、なっていないような言葉を
交わして4人掛けの席に座った。

まるで妻がやっているようなダブルデートみたいだと
思いながら靴を履き替えていた。今度から二人だけで
来れないと思ったが、来る時はダブルでも途中からは
二人だけになれば良いのだと思った。
2006/1/28 「女性を貸し借り
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

最初の数曲は私と紗智子さんと、鈴木さんと亜紀さん
で踊っていたが、亜紀さんは次の曲が掛かると黙って
立ち上がると私のところに来て「踊ってください」と
いう。「いいよ」と快く返事をして立った。
次に掛かった曲はブルースだった。私はブルースの曲
と分かっているからブルースの足型で動き出した。
亜紀さんはワルツの足型と違うのに気が付いて言う。

「あれ、ワルツだと思った」
「違うよ、ブルースだよ」
「そうだよね、私まだよく分かんない」
「でも、亜紀さんと踊れたら何でも楽しいよ」
「私はYOHさんとワルツ踊りたかった」
「じゃ、次にワルツ掛かったら踊ろうね」
「はい、お願いします」

亜紀さんはワルツを踊りたいと言うが、私はワルツに
限らずブルースでもマンボでも何でも良いと思うけど
まだ気持ちが通じていないようだ。
亜紀さんみたいに独身女性と踊るのは胸ときめくもの
があるが、紗智子さんみたいな人妻と踊るのは違った
ときめきがあるのも事実である。

大半は私と紗智子さんと組んでで踊ったが10曲の内

3曲くらいは亜紀さんと踊ることができた。
私が亜紀さんと踊っているとき鈴木さんと紗智子さん
が踊っているが、紗智子さんは踊りながらちらちらと
こっちを見ているが、あの目付きは私を監視している
ように見えるのは考えすぎだろうか。

若い子に取られたくないと嫉妬しているのだろうかと
思い上がった気持ちになってしまう。
2006/1/29 「こっちも両天秤」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。
サークルに入って3ヶ月は真面目に練習だけして帰る
ようにしていたが4ヶ月めから先生にも仲間にも内緒
で人妻紗智子さんと二人でダンスホールに行くように
なった。5ヶ月目頃から鈴木さんと亜紀さんが加わる
ようになってダブルデートみたいにして通っていた。

私は最初は女性18人居る中で一番上手な亜紀さんと
ペアを組みたかったが、紗智子さんが逆ナンパ?して
来たものだから断りきれなくて二人でダンスホールに
個人行動とるようになっていた。

他人の奥さんと仲良くするなんて初めてだったから、
何か最初は後ろめたい気持ちもあったが、旦那以外に
話をしたりホールドして身体に触ることが楽しくなり
だんだん人妻紗智子さんに嵌まっていく事になる。

普通の生活していたら人妻紗智子さんに触れるなんて
考えもつかないことだし例えば紗智子さんが夫婦喧嘩
の最中だったら触るのは私だけだと思うと妙に優越感
を持ったりする。
そんな事を考えていたら亜紀さんも良いけど両天秤で
紗智子さんとも付き合うのも悪くないなんて図々しい
ことを思ったりしていた。
2006/1/30 「メリージェーン」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

サークルが終ると私と紗智子さんと踊りに行っていた
ホールの名前はPBというが、鈴木さんと亜紀さんも
踊りに行くようになった。このホールでは最後の曲に
メリージェーンという曲が掛かる。

客席もホールも照明が消され暗くなる。電気が点いて
いるのはカウンターだけでカウンターから遠いホール
の奥に行くと真っ暗状態になる。他のホールは蛍の光
が掛かっているが、メリージェーンは人妻紗智子さん
とチークダンスするには最高の曲である。

この店は午後11時閉店だからこの曲は10時55分
になると掛かる。私のようにカップルで行ってるのは
当然紗智子さんと踊るが、個人で行っている者はこの
時刻になるとどの女性を誘うか2・3曲前から品定め
をしているように見受けられる。

私ももし一人で踊りに来る事があったら誰にするかと
見回すとタイプの女性は一人や二人は居るけど他の男
だってタイプかも知れないから、もたもたしていたら
取られて真っ暗な座席で外靴に履き替えて一人寂しく
帰るなんてことになるかも知れない。

一人で踊りに来る事を考えるよりは亜紀さんを誘って
来る事を考えてみよう。そのために鈴木さんの居ない
ところで話をしなければならない。
亜紀さんとメリージェーンの曲でチークダンスを踊り
たいと思う。ダンスが上手ということはチークダンス
も上手で、ベッドダンスも上手なのではないか。

2006/1/31 「亜紀さん不機嫌」
話は少し前に戻って私がダンスを始めたきっかけを書きます。

紗智子さんとラストダンスのメリージェーンを踊って
浮ついた気持になって毎週サークル終了後は、PBに
行くのが楽しみになっていた。
亜紀さんはバス時間の関係で最後まで居た事が無いが
私達も鈴木さんもメリージェーンは最高だと言うと、
一度だけ最後まで残った事がある。

私は紗智子さんとカウンターから一番離れた奥の壁に
行ってメリージェーンを踊っていた。
テンポが遅い曲だから踊るというよりは足は動かさず
に左右に揺れてる感じで二人ともうっとりしていたが
亜紀さんはどうしてるか興味が湧いてきた。

亜紀さんは鈴木さんと踊っていたが余りに暗いので、
私の居る奥のほうには来なかった。
なるべく明るいカウンターに近い場所で踊っていた。
ちらっと見ると鈴木さんと密着することなく身体を
離してチークダンスという雰囲気ではない。

じっとこちらを見ているのであった。あんなに見られ
ては浮ついた気持ちでチークダンスできなくなった。
少しずつ亜紀さんの居るほうに移動して行ったのだが
近くに行く前に曲は終ってしまった。

鈴木さんの手を放すとさっさと席に戻り靴を履き替え
「お先に」と言って帰ってしまった。
「亜紀さんこんなの初めてだからびっくりしたんだ」
「そういえば嫌がってたな」
「そうだね、独身だしね」

亜紀さんと仲良くしてメリージェーンを踊りたかった
のにこれでは逆効果のようである。
亜紀さんだって彼氏とか恋人とか愛人とか深い関係に
なればチークダンスだってすると思うが、まだそんな
気持になっていないようで、少し冷却期間を置いたら
良いと思う。



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2006/2/1

「やめてください」  

亜紀さんは潔癖症だろうか。私と紗智子さんがチーク
ダンスしているのを見てから機嫌が悪いのだ。
サークルに行っても曲が代わるとパートナーチェンジ
するのに私のところには1回も来なかった。
私は亜紀さんと踊りたくて手招きしたり目で合図して
呼ぶのだか無視されていた。

後半のラテンの練習になって初めて私の前に立った。
「今日初めてだね」
「・・・、YOHさん嫌だ」
「え、何が?・・・」
「あんな事してたなんて、やめてください」
「メリージェーンの事?」
「普通に踊るなら良いけど、あんな踊り方」
「ちょっと刺激が強すぎたかな」
「そうですよ、やめてください」
「そうか、解ったよ」
「それに人の奥さんがあんな事して良いんだろうか」

パートナーにしたいほど上手な亜紀さんに言われては
突っぱねる事は出来なかった。メリージェーンは良い
曲で気持ちが盛り上がるけど紗智子さんと気分出して
踊るのはやめる事にした。

「やめてください」を何回も言うし、紗智子さんにも
批判の言葉を言ったりしている。
これなら私の妻はどんな批判をされるだろうか。
私は妻の真似をしてみたけど中年夫婦とうぶな独身者
とは考えにも差があるようだ。

その代わり何時の日か亜紀さんとメリージェーン踊り
たいからそれまでガマンします。約束します。

     

2006/2/3

「亜紀さんと帰る」  

亜紀さんに「やめてください」なんて言われてしまい
紗智子さんとメリージェーンを気分出して濃厚に踊れ
なくなってしまった。元々はパートナーにしたいのは
紗智子さんでなくて亜紀さんだったから、亜紀さんの
言いなりになったらパートナーになってくれるのかも
知れないと甘い観測だったが言う事を聞いた。

亜紀さんは10時半に店を出ればオーラス前のバスに
乗ることが出来る。メリージェーンを踊ってからでは
最終バスは30分も後になる。
私は亜紀さんに「やめてください」という約束を守る
ため亜紀さんと一緒に店を出る事にした。

鈴木さんも紗智子さんも不審がっていたが二人のこと
より亜紀さんの気持ちを大事にしたかった。
二人も仕方なく一緒に帰る事になり店をでた。
「どうして?」と紗智子さんは聞くのだが曖昧に答え
ていた。鈴木さんは亜紀さんが先に帰っても別の女性
と踊るから帰らなくても良かったらしい。

(最後まで)居れば良いしょ」なんて亜紀さんは見え
透いたことを言ってる。「やめてください」と言った
のは若しかして私のことを好きだからでないかなどと
思ったりずるが、そこまでいかなくてもパートナーに
なってくれる可能性があるから言ったのではないかと
自分の都合良いように解釈してしまう。

     

2006/2/4

「亜紀さんを送る」 

亜紀さんがメリージェーンを踊りたくないというので
四人は2回ほど10時半ころホールを出て帰ったが、
そのうち鈴木さんも紗智子さんも「ラストまで居る」
と言って残るようになった。
私は元々亜紀さんをパートナーにしたいと企んでいた
から、亜紀さんの後を追って帰っていた。

私が車で通っていることを知っている亜紀さんは、 
「送ってくれたら嬉しいな」
「いいよ、亜紀さんのためなら何処でも行く」
「末広の方だよ」
「いいよ、同じ方向だ」
「良かった。ありがとう」

亜紀さんに同じ方向と言ってしまったが途中から右に
折れて家に帰るには回り道になる。
いくら遠回りでも毎回送っているうちに食事したり、
違うホールに踊りに行ったりできると思う。だから、
亜紀さんならたとえ逆方向でも送っていくだろう。
それくらい亜紀さんはダンスが上手なのである。

     

2006/2/5

「喫茶店に寄り道」  

サークルの帰り4人でダンスホールに行くのが恒例に
なったが、亜紀さんは10時半になると帰り支度する
ので私も靴を履き替えて一緒に帰る事にしていた。
メリージェーンを踊ってから帰りたかったが亜紀さん
と帰るほうがもっと良いことが有るような気がした。

「YOHさんが送ってくれるなら急ぐ事ないんだわ」
「そうだ、そうだ。ゆっくりしよう」
「そこに喫茶店あるよ」
「夜コーヒー飲んでも大丈夫?」
「ぜんぜん大丈夫だよ」
「そうか、私もだ。ちょっと寄って行くか」

ダンスホールを出ると斜め向かいに「BON」という
意味不明の喫茶店がある。店の前はよく通るが初めて
の店なので、どんなコーヒーを出すのかどんな客層か
分からないまま店に入った。

中年の少し派手で喫茶店のママさんとして似合わない
髪型とか服装をしていた。なんかスナックのママさん
みたいな感じだった。

6人掛けの席が3つと、奥に麻雀とかゲーム機が4台
あって繁華街の喫茶店らしい。
カウンターに常連客らしいのが一人、ゲームしている
のか一人居た。

私たちは真ん中の席に向かい合って座った。
ママさんは親子ほど違う私達を調べるような目付きで
見ていたがまたカウンターの客と話を始めた。
出されたコーヒーは少し苦く感じた。濃いのか時間が
経って煮詰まったのかあまり美味しいとは思えない。

こんなコーヒーを飲んだら夜眠れないのではないか。
それに加えて亜紀さんと向かい合ってコーヒーを飲み
話をしていると嬉しくなって眠れない気がする。

同じ眠れないのなら亜紀さんとメリージェーンを踊り
パーティでデモしたりダンスの事を考えて朝まで過す
のも楽しいかも知れない。そのために苦いコーヒーも
満更悪いとは言えない気がしてきた。

     

2006/2/6

「亜紀さん学連出」  

ダンスホールのラスト曲にメリージェーンが掛かるが
紗智子さんと濃厚なチークダンスして楽しんで居たが
最近は早めにホールを出て亜紀さんと喫茶店でダンス
の話とかおしゃべりするのも良くなった。

「女性18人の中で一番上手だよね。経験あるの?」
「うん、まだ誰にも言ってなかったけど短大のときに
やってたの。先生にもまだ言ってないの。YOHさん
に初めて言ったんだからね。誰にも言わないでよ」
「そうだったのか。道理で上手だと思ったよ」

要するに亜紀さんは、某私立女子短大で競技ダンスを
していたという。女ばかりだから近所にある国立大学
の舞踏研究会に混ぜてもらって大会に出ていた。
道理でみんなと明らかに動きや先生の言った事に対し
飲み込みが早いと思っていた。

「どうして内緒にしてるの?」
「ひけらかすと意地悪されたりするでしょう。それに
もう一度基本からやり直して楽しむダンスしたいの」
「そうかもね、競技だと大変らしいし」
「そう、大変だったよ」

亜紀さんはメリージェーン踊るのを嫌がっていたが、
若いからばかりでなかったようだ。競技ダンスやって
いたらあんなチークダンスはアホらしくてやってられ
ないと思う。亜紀さんから内緒話を聞いて嬉しくなり
ちゃんとペアを組んでくれそうな気がしてきた。

     

2006/2/7

「鈴木さんとは嫌」  

10時半に鈴木さんと紗智子さんを置いて、と言うか
別れを告げダンスホールを出て喫茶店に向かう。
11時まで残ればメリージェーンが掛かるが亜紀さん
は踊りたくないようだし私も付き合っていた。
ちょっと話をしているうちに11時になってしまう。

「今ごろ鈴木さんと紗智子さんはラストダンスだな」
「YOHさん、踊りたいんでしょう?」
「そんな事無いよ。ぜんぜんだよ」
「うそ、紗智子さんと踊ってたくせに」
「あれは、あれは紗智子さんに誘われたから」
「誘われたら誰とでも踊るわけ?」
「いや、ごめん。もう絶対に誰とも踊らないから」
「そんな事言ってて良いの?、誰とも踊らないの?」
「そうだよ、もう誰とも踊らない」
「私とも踊らない?」
「だって、亜紀さんはメリージェーン嫌いなんだろ」
「私は鈴木さんとは嫌なだけよ。相手に寄るわ」
「そうなんだー、と言うことは・・」
「うん、YOHさんなら踊ってたかも」
「やっぱり。最初から亜紀さんと踊りたかったんだ」
「そしたら誘えばいいしょ」
「でも、年も違うし、上手すぎるし」
「わたし、はっきりしない人は嫌い」
「分かった。今度からちゃんとはっきりするから」

私は20歳も年下の亜紀さんに意見されていた。
弁解するばかりだったが、亜紀さんも最初から動きが
違う私に目を付けていたようだ。私も大学時代に学連
とは関係ないがサークルに入って練習していた。
大学では教える人が素人でワルツとタンゴしか教えて
くれなかったのでマンボもジルバも知らなかった。

     

2006/2/8

「ケンメリ手放す」  

その頃のマイカーは日産スカイライン通称ケンメリと
言われて当時としては持てはやされていた。
2ドアで後ろのテールランプが丸いのが特徴だった。
気に入っていたのでかなり年数が経っていたが友人も
「ケンメリだからな。名車だからな」褒めるので調子
に乗って、いやケンメリに乗っていた。

亜紀さんを家まで送るようになって2回目だと思う。
「YOHさん、車買わないの?」
「だって、ケンメリだよ」
「知ってるけど、ふるーい」
「そりぁ古いけど。駄目かな」
「新しいの買いなさい」
「そうか、そんなものか。かなり古いことは古い」

私は名車だからと自他共に認めるから乗っていたのに
若い子には通じないらしい。若い子は名車より新しい
車の方が良いらしい。こんな古い車に乗っているのを
見られるのが恥ずかしいのだと思う。

それと、ケンとメリーと言うことでメリージェーンと
結びつけているのではないか。それで拒否反応を示し
ているのではないかと、うがった考えもしていた。
しかし、新しい車といってもちょっとデパートで買う
という値段ではない。どうしようか思案していた。

170万から200万とかいう金額だから勝手に買う
訳にも行かない。妻の了解がなければ買えないから、
考えていたが、亜紀さんの言葉を利用してみた。
「車古いから入れ替えようか、送り迎えの時も新しい
ほうが良いだろう」
「そうだね、けっこう乗ったものね。送り迎えして
くれるんなら買っても良いよ。今度から私のお抱え
運転手になってくれるんだね。それなら良いよ」

     

2006/2/9

「パートナー交換」  

亜紀さんは鈴木さんとメリージェーンを踊りたくない
から10時半にホールを出るようになり、1ヵ月ほど
経ったある日、ホールに行ってから鈴木さんが言う。

「最初はYOHさんと紗智子さん、亜紀さんと僕との
ペアだったけど最近は完全に組み合わせが変わったし
パートナーチェンジしませんか?」
「いいけど、でも4人でホールには行くよね」
「それは良いですけど」
「そうだね、実際にはチェンジしてるわけだしね」
「じゃ、そういう事で」
「了解」

亜紀さんは鈴木さんとメリージェーンを踊りたくない
と言ってたからこれですっきりしたと思う。
紗智子さんだって鈴木さんのほうが年齢も30代同士
で話も合うと思うし、家も同じ方向だしお互いに都合
が良いはずである。

私は亜紀さんが良いのは若いということは勿論あるが
女18人の中で一番上手だから選んだ。
亜紀さんが私を選んだのは20歳の年齢を越えて技術
に惚れこんからであり鈴木さんと紗智子さんのように
大人のムードでペアを組むのとは意味が違う。

     

2006/2/10

「夫が迎えに来る」  

ダンスサークルに入会して3ヶ月くらい経ってから、
紗智子さんとダンスホールに行くようになった。
それから1ヵ月経った5ヶ月目くらいから鈴木さんと
亜紀さんが一緒に行くようになった。
そして、また1ヵ月くらい経った6ヶ月目パートナー
交換をしてホールで踊っていた。

正確に記録して居ないが、サークルに入って半年ほど
経った頃、サークルが終ってからみんなが会館の玄関
に出たとき自家用車が1台停まっていた。
誰かの旦那さんが迎えに来ている雰囲気だった。
女性は18人居るからその中の誰かだろう。
みんなして「誰?」「誰?」と顔を見合わせていた。

ところが助手席のドアを開けたのは何と紗智子さんで
あった。紗智子さんは迎えに来たのを予想外みたいに
「あら、迎えに来たの?」
明らかに不満そうに言ってるのを聞いてしまった。
夫が迎えに来たら鈴木さんとダンスホールに行けない
ではないか。不満そうに言うのも当然だと思う。

「お疲れ様」「さようなら」「また来週ね」などなど
紗智子さんに声を掛けていた。
「お先にね」と紗智子さんもみんなに挨拶をしたが、
「どうもね」ともう一声かけたのは鈴木さんに対して
だった。夫には見られないように車の屋根越しに声を
かけて先に帰ることを合図しているのが見て取れた。

私と亜紀さんは今までどおりダンスホールに行った。
鈴木さんはちょっと思案していたが、一人で行っても
一人で来ている女性もたくさん居るからその女性たち
と踊る事にしたようだ。私も亜紀さんが都合で来ない
時は一人で行く事になるかも知れない。

     

2006/2/11

「旦那が連れ帰る」  

サークル活動が終ってから4人でダンスホールに行く
ようになって6ヶ月がたち、パートナーも円満に交換
して楽しく踊っていた。それなのに紗智子さんの夫が
迎えに来て連れ帰るようになってしまった。

「あら、迎えに来たの?」というのをしっかり聞いて
しまったから紗智子さんが迎えを頼んだ雰囲気でない
のははっきりしている。何か事件が起きたらしい。

鈴木さんはパートナーが居なくなって三人でホールに
行ってもホールに一人で踊りに来ている女性を誘って
踊っていた。もし、パートナー交換していなかったら
私がホールに来ている女性と踊っていたことになる。

私も亜紀さんも急に迎えに来るようになった夫に対し
何があったのか心配したが一番心配したのは鈴木さん
だった。それで紗智子さんに聞いたがはっきり真相を
言ってないようだった。何があったのだろうか。
   

2006/2/12

「バッグに下着が」  

バッグに下着が、とタイトルに書いたが7文字に限定
されているからで詳しく書くと16文字にもなる。
私が正しく表現したかったのは下記の通りである。
「バッグからパンティストッキングが見えている」

紗智子さんの旦那さんがサークルの練習が終る時間に
迎えに来るようになったのは急に思いついてとか気が
向いてとか言うのではない。いくつかの理由や原因が
あって旦那さんとしては居ても立っても居られないと
いう伏線があったのだ。

その一つがパンティストッキングの話である。
戦後女と靴下は強くなったというがパンストについて
それほど強くはなっていないようで、私と紗智子さん
の二人でダンスホールに行っていた時、私はパンスト
が伝線しているのを見つけた。
「後ろ見てごらん、伝線してるよ」
「あら、恥ずかしい。教えてくれてありがとう」

紗智子さんは礼を言うと壁にカーテンを引くだけの
簡易更衣室でパンストを脱ぐと素足で戻ってきた。
パンストをバッグに押し込んだが足首から先の部分が
バッグからはみ出していたらしい。
黒いバッグに黒いパンストだったので薄暗いホールで
気が付かなかったようだった。

私は紗智子さんを家まで送って行った。車の中も暗く
まだ気が付かない。旦那さんは11時半頃になっても
起きていてテレビを見ていたようだ。
紗智子さんが居間に入っていって目ざとく旦那さんは
パッグからパンストがはみ出ているのを見つけた。

「バッグから、見えてるよ」
「あら、伝線したから脱いできたのよ」
「・・・・」
旦那さんはそれ以上何も言わなかったが1回目の疑惑
を抱いたようだ。

   

2006/2/14

「洋服ダンス検査」  

ダンスホールは11時に閉店するが家まで紗智子さん
を送っていくと11時半になる。あるとき家に着いて
寝室に入ったら旦那が紗智子さんの洋服タンスを開け
中を眺めていたという。
夢中になって見ていたらしく紗智子さんが帰ったのに
気が付かなかったらしく寝室に入って始めて気が付き

「ナンだ、帰ったのか。知らなかった」
「何してるの?」
「ダンスの服って派手だなー」
「そうだけど、私のはそんなに派手じゃないよ」
「いや、派手だ。絶対派手だ」
「だから、どうだって言うのさ。どけてよ」

サークルが終って直ぐ帰れば9時半には家に着くけど
ダンスホールに寄って帰るし、まして男と一緒だから
旦那としてはいろいろ妄想が働くらしい。
だから、ダンス服が派手だと批判めいた事を言ったり
紗智子さんが帰ったのに気が付かずに、夢中になって
洋服タンスの中身を検査したりするのだ。

女性のダンス服もいろいろ売っているが結構いい値段
がするので紗智子さんは洋裁の心得があるので自分の
着る服は殆ど手作りして着ている。普段のサークルは
それで十分だし、同じものが無いから個性的で評判が
良くて何枚も作るのだが、家で作っているから旦那は
見ているはずだが、洋服タンスを検査したりする。
     

2006/2/15

「家の前で停車音」  

紗智子さんの旦那がサークルが終る時刻に迎えに来る
ようになったのは、昨日書いた女性の着るダンス服の
派手さが気になったようだ。普段は原色のスカートや
ブラウスは着ないから第一の疑惑になったらしい。

二番目に疑惑を持ったのは紗智子さんをダンスホール
の帰り家まで送るようになった。紗智子さんの住宅は
新興住宅地というか、まだ空き地があちこちに目立つ
地域で夜の11時半といえば車もあまり通らず静まり
かえっている状態だった。

そこに紗智子さんを乗せた車が家の前に停車するから
家に居る旦那に聞こえていたらしい。
最初はタクシーで帰ってきていると思ったらしいが、
何回か停車音を聞いているうちに疑惑を抱いた。

もしタクシーならお金を払ったりお釣りを貰ったり、
1分や2分は停車しているのに、私もそうだったし、
その後、鈴木さんが送っていくようになったときも、
停車して直ぐドアの閉まる音がして、即発車するので
タクシーではないと確信したらしい。
毎週火曜日午後11時半家まで男が送ってきていると
頭にインプットしたらしい。

     

2006/2/17

「下着に凝り出す」  

紗智子さんの旦那が第三の疑惑を持つ事になったのは
下着である。一般的に女性は白の下着を身につける。
今の女子高生や若い女性はいろんな柄や色物の下着を
持っていても、ここ一番というときは白にするのでは
ないだろうか。

紗智子さんは高校時代からずっと白で過してきた。
それが結婚しても白のままだった。社交ダンスを習い
始めた時も当然白であった。外靴からダンスシューズ
に履き替えるとき、椅子に座ったままで履き替えると
太腿は見えるし、脚の上げ加減によって偶然に下着が
見えるときもある。

その時は確かに白であった。そして、ダンスが始まって
ルンバのアレマーナ(時計回りに1回転する)をした時
偶然に見えることがある。やはりその時も白だった。
これが縞々模様だったり、スヌーピーの絵が見えたり
したらやっぱり可笑しいと思う。

それが、何時の頃からか下着の色が変化してきたので
ある。最初に気が付いたのが薄いピンクであった。
そのうち濃いピンクになり赤になったりした。
そして、藤色や紫色になり、黄色や緑色になった。
「服の色に合わせたのよ」と言い訳していたようだが
旦那には通用しなかったらしい。

小説にもあるが、女が下着に凝り出すのは心の変化が
あると言われていて紗智子さんもダンスを始めてから
外に気持ちが向いたように思うのである。
旦那にしてみればそんな派手な下着を誰に見せるのか
と疑惑をもって当然なのかも知れない。

     

2006/2/18

「人妻は生足帰宅」  

女性が毎日穿いているパンストはちょっとした拍子に
すぐ伝線してしまう。だから予備のパンストをバッグ
に入れている人も居るくらいである。
旦那が第4の疑惑を持ったのはパンストの話である。

旦那が妻の紗智子さんに疑惑を持ちようになってから
服の着替えにも目を配るというか、監視するというか
今までならば今日どんな服着てたか聞かれてもまるで
分からないくらい服装に関心が無かったのにパンスト
の濃い色、薄い色まで覚えているという。

ダンスをしていると身体を動かす分だけ普通の人より
パンストは伝線しやすいようである。もっと高ければ
伝線しないのもあるだろうにバーゲンで一束いくらの
安物を買っているのだろうか。
それともダンス靴の内側がささくれ立っていたりして
伝線しやすいのではないだろうか。

紗智子さんはよく伝線するようだ。恥ずかしいからと
脱いで帰るのだが予備を持っていれば問題は起きない
のに女子高生のように生足で帰宅するから旦那に見つ
かってひと悶着起きる。

「裸足で帰ってきたのか?」
「そうよ、伝線したからよ。よく見てるね」
「指が見えるから分かるさ」
「これ、娘と一緒。生足でご帰還です」
「そんなに足あげなくてもいい」

紗智子さんは片足上げて旦那に足の指をわざと開いて
裸足であることを見せ付けた。只でさえ疑惑を持って
見ているのに紗智子さんは旦那の気持ちを逆なでする
ような態度を取るのであった。

旦那にしてみれば朝穿いて出たのに脱いで帰ったのが
疑惑になったらしい。パンティを脱いで帰った訳では
ないから考え過ぎだが、こんな事でも旦那には疑惑に
なってしまうようだ。

     

2006/2/19

「手足の爪を赤く」  

手の爪を赤く塗るのは昔からよく見かけるからそんな
に珍しい事ではないが足の爪も一緒に塗る人がいる。
紗智子さんの旦那が第5の疑惑を持つようになったの
は手足の爪を赤く塗る話である。

紗智子さんは結婚してから後も共稼ぎで事務の仕事を
していたが、その頃は手の爪を赤く塗ることはやって
いなかったようだ。それがダンスをするようになって
数ヶ月位してから赤く塗ってサークルに現れた。
紗智子さんも初めてなのでみんなに披露していた。

よほど嬉しいのか私にも見せに来た。
「どう?」
「人が変わったみたいだよ」
「ついでに足も塗ったのよ」
「本当だ、足も塗るんだね」
「口紅と同じ色なのよ」

なるほど、唇の色と爪の色は同じであった。足の爪は
ラテン・シューズを履いているからパンストを通して
赤く見える。今まで爪に色を塗るなんてなかったのに
どういう心境の変化だろうか。
これだから旦那は子供と留守番しながら派手派手妻の
行動に疑惑を持つようになると思う。

     

2006/2/20

「超ミニ網タイツ」  

これもタイトルが7文字に制限されているから勘違い
されそうなので最初に説明すると、、、、、
「紗智子さんは黒のレオタードに黒の超ミニスカート
に黒の網タイツ」という格好でサークルに現れた。

紗智子さんは会社が終ると家に帰らず直接サークルに
来るからこの服装は会社の更衣室で着替えたらしい。
会社の人たちもさぞびっくりしたと思うが、私たちも
だんだん派手になって行く紗智子さんにびっくり仰天
していた。しかし、もっとびっくりしたのは旦那では
ないだろうか。

サークルが終わり4人でダンスホールに行き、帰りは
私は亜紀さんを送り、鈴木さんは紗智子さんを送って
帰ったと思う。帰りに朝出かけたときの服に着替えて
帰れば問題は起きなかったはずで、超ミニに網タイツ
姿で帰ったものだから旦那は切れたらしい。

真面目な旦那はこんなSMに出てくるようないでたち
で帰ってきたものだから今までの疑惑と怒りが爆発し
2階にいる子供達にも大きな怒鳴り声は聞こえた。
小学生と中学生の娘さんは2階で震えていたという。
紗智子さんが四人でダンスホールに行ったのはこの日
が最後になった。

     

2006/2/21

「全員でホールに」 

新しくサークルが始って6ヶ月が経った。
講師の先生がサークル終了する少し前に挨拶をした。
「この講座は6ヶ月経って今日で一応終ります。でも
前からお話している通りこれからも継続していく事に
なりました。それで今日は一区切りと言う事で全員で
ホールに踊りに行きましょう。
すでに内緒で行ってる人も居るようですけど・・・」

先週から予告があったのでみんなはホールに行く準備
をして来ていた。準備が出来ていないのは紗智子さん
だけであった。みんなが浮き浮きしながら会館の玄関
に出てくると紗智子さんの旦那が迎えに来ていた。
先週は「あら、迎えに来たの?」と不満そうに言って
いたがそれでも車に乗って帰った。

今日はみんなでホールに行く事になってから一人でも
抜けると格好が付かない。というより、紗智子さんが
格好悪いことになる。
「今日は乗らないよ。一人で帰ってね」
「おい」
紗智子さんはみんなと一緒に歩き出した。
旦那は「おい」と呼び止めるのだが無視されていた。
しばらく玄関前に停車して後姿を見ていたが諦めると
帰って行った。

4人でホールに行っていた時の紗智子さんは積極的に
何でも曲が掛かると私や鈴木さんと踊っていたのに、
今日ばかりは旦那を無視してここに来た事が気になる
ようで寂しそうな心ここにあらずというような表情で
見ていて気の毒になる。

     

2006/2/23

「新会場はホテル」  

サークルが始って6ヶ月経ち、カルチャーセンターの
全講座は終了しまた新たに会員を募集して再開する。
ダンスサークルも新会員は今までの会館で活動して、
経験者は近くのスポーツジムの小体育館を借りる事に
なり第2期目の活動が始った。

このジムはホテルに併設されていて玄関はホテルの裏
にあるがホテルの玄関からも奥に入って行ける構造に
なっている。車で通う人は奥に駐車場があるから裏に
回った方が便利だが、バスで通う人はホテル玄関から
入ったほうが便利である。

例えば紗智子さんとホテルの前で偶然会ったとして、
一緒にホテルの玄関を入ったら事情を知らない人達は
人妻と不倫しているように誤解されそうである。
一度そういう事をしてみたいと思うのだが、私は車で
通っているし一緒にホテルに入ったことがない。

ジムだから健康器具を置いてある部屋もあるが地下に
5コースのプールもあるから、不倫とかいうのでなく
亜紀さんや紗智子さんとホテルの玄関から入って一緒
に泳いでみたい。新しい会場になってそんな誤解され
そうな如何わしい事を想像していた。

     

2006/2/24

「腕組んで表から」  

亜紀さんはサークルに来る時はバスでやってくる。
と言うより車を持っていないから会社に出勤する時も
バス通だからサークルも当然バスになる。
だから、サークルの会場に入るのはわざわざ裏に回る
よりはホテルの玄関から入ったほうが便利なのだ。
毎週会場に着く時間は決まっているので、私は早めに
行ってホテルの前で亜紀さんが来るのを待っていた。

メンバーは30人居るからホテルの玄関から入る人も
たくさん居て私が立っていると次々に声を掛ける。
「あら、誰か待ってるの?」
「ええ、ちょっと」
中には勘を働かせて言う人も居る。
「亜紀さん待ってるんだよね」
「ええ、ちょっと話があって」
「寒いのに中で待ってればー」
「ええ、そうですね」
そう言いながらも私はホテルの外に立っていた。

バス停は直ぐそばにあって亜紀さんが降りてくるのが
見えた。私の姿を見つけると急ぎ足でやって来た。
「今晩は、どうしたんですか?」
「二人でホテルの玄関を入ってみたかったんだ」
「変なの」
「若い人とホテルに入るなんて嬉しい限りでさ」
「入るだけ?」
「そうですよ、入るだけですよ」
「そう、YOHさんて真面目なんですね」
「えっ。」
「いや何でもないです」
玄関を入ろうと歩き出したら亜紀さんは私の腕を掴み
恋人のようにホテルの中に入っていった。

     

2006/2/25

「サンバのリズム」  

サークルでサンバを習っているが、まだ初心者だから
リズムの取り方が今のように付点4分音符と8分音符
の組合せでなく、1と2、3と4と半分ずつ取る。
初心者にとってはこれでも難しくリズムに乗り遅れて
しまう。

講師の先生は「遅れないように、そこ遅れてますよ」
「だって遅れちゃうんです」
「遅れる人は置いていきます」
「だめー、一緒に行きたい」
「そうよ、一緒に行きましょう」

すると男達とか紗智子さんみたい主婦はニヤリとして
「一緒に行くんだってさ」
「そうだ、行く時は一緒なんだとよ」
「意味深な言葉よね」

すると横で聞いていた亜紀さんは赤い顔もしないで、
「ああ、そういうものなんですか」と言うから私は
「ああ、そういうものなんです」鸚鵡返しに言った。
「結婚したら分かります」と鈴木さん真面目に言うと
「結婚しなくても分かると思います」と亜紀さんたら
鈴木さんに負けず真面目に答えるので可笑しかった。

こんな事をいう亜紀さんは今までにセックスの経験が
あるのだろうか。
札幌の短大で競技ダンスをしていたし近くの国立大学
の舞踏同好会の学生とペアを組んでいたから、疑えば
疑えるがそんな事聞くわけにいかないので妄想程度に
留めておこうと思う。

     

2006/2/27

「亜紀さんと夕食」  

前回亜紀さんと腕を組んでホテルに入った。私だって
人並みに女に持てるんだというところをホテルの前を
通る男達に見せてやろうと演技したのだった。
またやってみたくなりロビーの横にあるレストランで
食事しようと話がまとまり、次の週ホテルの外に出て
バス停まで歩いて亜紀さんを待っていた。

殆ど同じ時刻にバスから降りてきた。バス停はホテル
の隣の建物の前にあり50メートルほど離れている。
今度はホテルの前からでなくバス停の前から亜紀さん
と腕を組んでホテルに向かった。この方が人目に付く
度合いが多くなるし亜紀さんの匂いを多く嗅げる。
通る男達は若い子と腕を組んでいるのを見て、さぞや
羨ましいと思っていることだろう。
私はこの子と出来てるんだと誇らしげに歩いていた。

ホテルの玄関を入ると右側にレストランがある。
ガラス戸棚に見本が10個ほど飾ってある。
「何にしよう?」
「そうねー、何にしましょう」
「あまり食べると動くのきつくなるし」
「わたし野菜サラダにする」
「まさか、それだけ?いくら何でも少なすぎる」
結局はパンも付け加えた。私は少しでも良いからご飯
が食べたいのでセット物を食べる事にした。

亜紀さんのように20代の女性と食事するのは嬉しい
ものだし男性ホルモンが活発になる気がする。
まして、亜紀さんは札幌で競技ダンスをしていたから
背は高くスタイルも良いし、加えて顔も良い。
私もエッチなことばかり考えていないで早く上達して
亜紀さんと本格的に踊ってみたいと思った。

     

2006/3/1

「旦那が強制連行」  

サークルは2期目に入って新しい会場になった。
紗智子さんは会場が変ったのを旦那に言ってないから
1回目だけは会館の方で待っていたらしい。
サークルは9時丁度に終って帰るから5分もしないで
外に出てくる。それなのに5分待っても出てこない。
10分待っても出てこない。

不審に思った旦那は中に入り事務の人に問い合わせた
ら会場が変わったと言う事を聞かされた。
会館からホテルの裏まで5分と掛からないが、玄関に
着いたときはみんな帰った後だった。

紗智子さんは旦那は居ないし鈴木さんに家まで送って
貰ったので紗智子さんの方が先に家に帰っていた。
大分遅れて旦那が帰ってきてひと悶着あったらしい。
それ以来、ジムの玄関に旦那が迎えに来るようになり
みんなが楽しそうに話をしながら帰るのに一人寂しく
紗智子さんは旦那の車に乗って帰っていく。

サークルの人たちはこんな旦那と関わりたくないから
旦那と判っているのに誰も挨拶しないで通り過ぎる。
講師の先生だけは軽く会釈するけど早々に車から離れ
みんなと一緒に歩き出す。

紗智子さんもこういう旦那だから少しは気をつけたら
良いのに原色の服をたくさん作ったり、派手な下着を
買ったり、足の爪を赤く塗ったり、網タイツを穿いて
帰ったり、生足で帰ったりするから旦那は心配になり
迎えに来て強制連行するのだ。

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日付 タイトル    日  記      2006年3月1日から3月31日
2006年
3月12日
2006/3/12
タンゴのリンク
紗智子さんは私に逆ナンして来たくらいだから性格的
には積極的で、行動的、活発的、全身的、向上的に、
明朗的とか前向きな言葉がずらりと並ぶ女性である。

どちらかといえば、逆ナンされたほうが口説く手間が
省けて男としては楽なのであるが、社交ダンスの場合
ちょっと困る事が分かってきた。
それはタンゴのリンクである。どうも踊る相手により
リンクのタイミングが違うので誰のリンクが正しいか
見ていたけど良く分からない。

それで亜紀さんとやってみたら紗智子さんのリンクに
入るタイミングが早いのが分かった。
亜紀さんはSSQQのとき、2回目のQでリンクする
から見ていても格好がいい。それなのに紗智子さんは
1回目のQでリンクに入って私のリンクを待っている
状態なのだった。
確かにウォークの次はリンクと分かっているから私の
リードの前に先走っているようだった。

紗智子さんと若しベッドを共にしたら先に行って私の
ことなんか置いて行くのではないかなんて如何わしい
ことを考えてしまう。
男の威厳を保つには紗智子さんとは深入りしないのが
良いように思えてきた。
2006/3/13

リンクは一緒に
紗智子さんは積極的でただ話をしているだけなら好感
が持てるけど、昨日も書いたようにタンゴのリンクは
勝手にしかも1拍早くリンクしてしまう。

「亜紀さんのリンクと違うんだけど」
「あの人はベテランだからでしょう」
「だからベテランの真似したら良いと思うけど」
「私は初心者だから私のやり方でする」
「先にリンクされるとリードできないよ」
「リードされると体勢崩れるからリードしないで、
 私ひとりでリンク出来るから何もしないでね」

「先生も行く時は一緒って言ってただろ」
「もっとベテランになったらそうするわ」
「旦那とする時も一緒にしてるのかな?」
「うちはリハーサル無し、すぐ本番して直ぐ終って
 直ぐ背中向けてお休みだもの、一緒は無しなの」
 
紗智子さんは亜紀さんを引き合いに出して言ったのが
気に食わないみたいだった。しかし、1拍先にリンク
されると私の体勢も崩れてしまうしカップルバランス
も悪くなる。習って8ヶ月だからダンスの足型を覚え
るのに必死で、バランスとかタイミングはまだ先の話に
なりそうである。
2006/3/14
一人でするから
「一人でするから」  

紗智子さんの積極性はまだまだ続いていて今度の話は
タンゴのオーバースエイである。
ウォーク、リンク、プロミナード、バックコルテ、
リバースターン(レデイアウトサイド)、と動いてから
オーバースエイに入る。

このオーバースエイが紗智子さんは先にポーズを取る
から私は何も出来ない。私もそんなに上手にリードは
出来ないから強くは言えないが明らかに紗智子さんは
早いと言える。

「ここんとこ、先にポーズしたら駄目なんだよ」
「だって、YOHさんのリードって強すぎるしょう。
 そんなに強くしな くても分かるよ」
「でも、ワルツのオーバースエイも早いよ」
「YOHさんリードが遅いんだよ。リードしなくても
 一人でするからいいよ」

何を言っても紗智子さんは自分の動きは正しいとして
聞き入れてくれない。こんな事なら亜紀さんとペアを
組まして欲しかったが、今さら変更は無いだろうし、
クリスマスパーティが終るまで我慢する事にした。

一人でするからなんて、誤解するような事を言うが、
旦那はリハーサル無しですぐ本番して打ち上げも無し
で解散するというから、紗智子さんは旦那が寝てから
一人でしているのではないかと妄想していた。
2006/3/16
どっちも一人で
「どっちも一人で」  

クリスマスパーティのデモのためカップルを決めたが
紗智子さんはサークルが終ると旦那が迎えに来るので
みんなとダンスホールの上にあるレッスン場に行けず
サークル開始前に二人で練習をしていた。

紗智子さんが帰った後、亜紀さんと鈴木さんの練習を
見るためについていったが、人の踊りをただ見ている
だけと言うのは何と詰まらないことか。
次週から紗智子さんが帰ってしまうと私も一人寂しく
家に帰った。

しかし、家でも妻はサークルに行って留守だから電気
は消えているし、一人寂しく妻の帰るのを待った。
私はまだダンスをする前は妻がサークルに出かけると
茶碗洗いや掃除をして退屈しのぎをしていた。
ダンスをするようになった火曜日は家事労働はしなく
なったが紗智子さんの為にまた再開する事になった。

茶碗洗いしながら今ごろ亜紀さんは鈴木さんと熱心に
練習しているだろう。そして妻はサークルの特定男性
とどこかのダンスホールで楽しく踊っているだろうと
思い浮かべていた。
2006/3/17
「足して2で割る」  

流しの片付け物をしながら妻の帰りを待ちつつ一方で
亜紀さんと鈴木さんがクリスマスのデモ練習をしてる
のを思い浮かべていた。
先生はどうして亜紀さんと組ませてくれなかったかと
密かに聞いたら、私と亜紀さんを組ませたら断トツに
なって駄目だという。

「足して2で割ると丁度バランスが取れてるのよ」と
慰めやら言い訳をしていた。
私も男性の中では上手なほうと自負していたから先生
の言うことは本当なのかも知れない。
それよりも亜紀さんが上手すぎるのだ。亜紀さんなら
12人の男性の誰と踊っても様になると思う。

そんな訳で私は紗智子さんと組む事になった。
私よりタイミングが少し早い点を除けば結構良い女で
ホテルのレストランで、ローソクの灯りで赤ワインを
飲みながらフランス料理を食べるなんていう雰囲気に
似合う気がする。
それも旦那が毎回迎えに来ては実現するはずも無く、
これも思い浮かべるだけにとどまっている。

何だかんだ私は妻の行動を思い浮かべ、亜紀さんの事
を思い浮かべ、紗智子さんの事を思い浮かべて自分が
主役になれないでいた。
2006/3/18
「人妻手作り弁当」  

亜紀さんと組ませてくれなかった事を口惜しがっても
今さら変更する事は出来ないから、紗智子さんと踊る
事に集中したほうが良さそうである。
そんなある日、さすが人妻という場面に出くわした。

練習の前にジムの軽食喫茶で食事をしていたがその日
紗智子さんは練習着と靴が入ったバッグの他に風呂敷
包みを持ってきた。外見から想像すると重箱のようで
みんなに何かご馳走すると思っていた。

「YOHさんにはこのところ練習で迷惑掛けてるから
 お弁当持ってきたの。一緒に食べよう」
「それは、それはありがたい」
「昨日の夜作ったから日持ちするものと思ってこれに
 したけど気に入ってくれるかしら」
「贅沢は言わないよ。何でも食べますよ」

昨日の夜に作ったと言うから、ちょっと冷たくなって
いたが11月の末だから悪くはならないだろう。
ジムの体育館にパイプ椅子を4個並べると私と紗智子
さんは両端に座りその間の椅子に重箱を置いた。
横向きになって人妻の手作り弁当を食べていた。
こんな場面を亜紀さんが見たら何と言うだろうか。
もうそろそろメンバー達が出てくる時刻であった。
2006/3/19
「人妻とままごと」  

サークルが始まる前に紗智子さんとクリスマスのデモ
をするため早めに集まり練習をする事にしていた。
何時もはジムの2階にある軽食喫茶で食事をしてから
練習していたが珍しく紗智子さんは手作り弁当持参で
やって来た。

重箱に二人では食べきれない量の料理が入っていた。
ありがたく頂いていたが、こういう時に亜紀さんが
現れたのだった。
体育館で食事をしているのを見つけて言う。

「ほう、二人で食事中ですか。仲のよろしい事で」
「亜紀さんもどうですか。たくさんありますから」
「遠慮しておきます。ままごとのお邪魔ですから」
「ままごとなんて面白いことを言うね」

明らかに亜紀さんは不快感を示していた。
紗智子さんとは特別な仲ではないし、亜紀さんだって
私とは特別な仲ではない。それなのに、この不快感は
何だろう。私は紗智子さんと悪い事をしているみたい
な態度である。

これ以上変な雰囲気にならないように食事をやめた。
美味しいのでもう少し食べたかったが、サークル開始
前のデモ練習もあるから箸を置いて立ち上がった。
亜紀さんは次々やってくる仲間と挨拶をして話をして
こちらの方を無視している。
2006年3月20日
パーティ迫って
「パーティ迫って」  

サークルのパーティは1週間後に迫った。
4月に結成されたばかりだから技術的な事は横に置き
楽しいパーティにしようと講師は張り切っていた。
私たち会員も初めてのパーテイで楽しみにしていた。

男は半礼服のチョッキとズボンを穿き普通のYシャツ
に蝶ネクタイで踊る事になった。
まだダンス用の服は誰も持って居ないからである。
女は白いブラウスに黒のスカートと決めたが女の服は
白いブラウスと言ってもデザインや素材がみな違って
統一感がないとごちゃごちゃ言ってる様だった。
それで、女だけ6人でフォーメーションをする人達は
スカートを真っ赤な裏地で作ると言う。裏地なら値段
も安いかららしい。

パーティ1週間前の最後の練習でみんな当日の服装で
踊る事になって、体育館の更衣室で着替えた。
着替えが終って体育館に集まると男はみんなホテルの
ボーイスタイルで大笑いになった。

女も白いブラウスはそれぞれで黒いスカートも長さも
デザインも違っていたがデモだから良いということに
なった。フォーメーションの6人は一番華やかで赤い
スカートは色気も感じる。
この日は最初から最後までこの服装で練習をした。
2006/3/21
「ダンスパーティ」  

デモのリハーサルをするので午後3時集合となった。
集まった順番に1回リハーサルをして、全員集まると
決められた順番にもう一度リハーサルを行った。
手の空いたものから長テーブルを並べ、パイプ椅子を
並べて仕出し屋が持ってきた料理を並べた。

講師の所属する教室から大勢応援に来ると聞いていた
けど、内心はベテランの人ばかりで恥ずかしい気持ち
が強かった。下手なデモを見られると思うと緊張して
普段通り踊れないのではと心配していた。

6時開場だけど早い人は5時半に現れた。
会場の準備は全部出来ていたから中に入って頂く。
音楽係りの人も教室からEP(45回転レコード)を
何十枚も持って現れた。
後で聞くとカセットテープはまだ教室に備えていない
のだという。

開場の6時には殆どの人が集まった。サークルの人数
は30人だが、教室から応援に来た人は60人以上は
居たから100人くらいの人数になって、普段は広く
感じる体育館も狭い感じになっていた。

音楽が鳴っているのに踊る人は居なくみんなは腹拵え
をしている。私も紗智子さんや亜紀さんたちと仕出し
料理を口に入れていた。食べ過ぎたら動けなくなると
亜紀さんがダンスの先輩らしく忠告してくれる。
特にプログラムを印刷したわけではないが講師の先生
と打ち合わせしたのは次の通りだった。
1、ダンスタイム(食事)
2、女性6名のフォーメーション
3、講師の先生挨拶、教室の大先生挨拶、
4、前半6組のデモ
5、ダンスタイム
6、後半6組のデモ
7、ダンスタイム
8、教室生徒のデモ

ダンスタイムの時はなるべく亜紀さんと踊りたかった
が講師の先生は私の様子を見て言うのである。
「YOHさん、みんなと踊ってあげなさいよ」
「はい」
と返事をしたが腹の中は「いやです」と言っていた。

4月からサークルが始ったが何十回も踊ってるうちに
18人の女性一人一人に上手下手とか踊り癖と言うか
性格が出てきて私としては踊りやすい女性は数人しか
居ない。それでも我慢して近くに来た女性とは踊って
上げたのだった。

プログラムは順調に進んで最後の教室のデモになって
想像もしていないことが起きた。
ダンスタイムが短いと思ったら教室のデモがサークル
のデモより多い15組もあったのだ。
講師の先生は数組と言ってたのは嘘だったのだ。

土壇場になって講師の先生は私や亜紀さんとか主たる
メンバーに見え見えの弁解をしていた。
「教室の人たちの踊りをたくさん見たら勉強になると
 思いますよ。生徒の度胸試しにもなるしね」

要するに1週間後に教室のクリスマスパーティがあるので
ドレスアップして最終リハーサルをしているのだ。
私たちは少しムットしたが大先生の考えらしく講師の
先生を責めるわけには行かない。
確かに教室のデモはみんな上手で勉強になると善意に
考えて見ていた。
2006/3/26
「教室のパーティ」  

1週間後、今度は講師の先生が所属している教室主催
のクリスマスパーティが開催された。
サークルのメンバーはみんなパーティ券を買わされて
いたので参加した。

サークルは普段の練習会場に使っているスポーツジム
の体育館でパーティをしたが、さすが教室はホテルで
行うから雰囲気がぜんぜん違う。料理も仕出屋でなく
ホテルの料理を食べられる。道理でパー券の値段が、
倍もすると思っていた。

私はデモは紗智子さんと踊るために二人で練習したり
話をすることが多かったがパーティが終ったら今度は
亜紀さんとべったりしようとしていた。しかし、私の
そばから紗智子さんはくっ付いていて離れない。
私は両手に花と言えば格好良いが、左に紗智子さん、
右に亜紀さんが立っていてダンスタイムに気を使う。

亜紀さんは曲が掛かると私の袖を引っ張って合図する
ので私もすぐ中央に出て踊り始める。
曲が終って元の席に戻ろうとすると次の曲が掛かって
「踊ろう」と亜紀さんは私を休ませてくれない。
紗智子さんに取られないようにしているようだった。
諦めたのか紗智子さんは鈴木さんと踊っている。
2006/3/27
「亜紀さんが一杯」  

サークルには20代の女性は何人もいるが亜紀さんは
短大にしても一応は学連出だからダンスの技術は一番
で他の女性たちは一目置いていた。
男達も亜紀さんと踊りたくて近づくのだった。だから
パーティでは私と鈴木さんのほかに他の男性も回りに
うろうろしている。

ところが教室のパーティとなると様子が違ってくる。
学連出かどうかは分からないが、亜紀さんくらい上手
なのが一杯居たのである。
教室には大先生とその奥さん、もう一人年配の男先生
そして、講師に来ている女先生のいずれもプロの先生
が4人も居て教えるのだから習う生徒達も上手になる
はずで出来たばかりのサークルとは比較にならない。

さらに教室には亜紀さんのように上手な女性で綺麗な
人が何人も居るのにどきどきしてしまう。
亜紀さんは普段から余り濃い化粧をしないから教室の
女性と比較すると地味な感じに見える。
パーティだからあんな派手な化粧をしていると思うが
派手好きな私には亜紀さんより教室の女性たちが良く
見えてしまう。

亜紀さんも良いけど、あんな綺麗な女性とデモしたい
なんて密かに妄想を抱き始めたのだった。
亜紀さんだってもう少し派手目の化粧したらああいう
女性と肩を並べるのだろうか。
まだまだ下手なくせに女を選ぼうなんて大それた事を
考えながら教室のデモを見物していた。
「男と女の紅い糸」  

昔から男と女は紅い糸で結ばれていると言う。
結婚したくなり手繰り寄せてみたら何とと言うべきか
やっぱりと言うべきか現在の妻だった。
そんな事は私と妻だけでなく世界中の男女が紅い糸で
結ばれているのだからここで話をする事でもない。

問題なのはその紅い糸は1本だけなのだろうか?。と
言う事なのである。たまたま妻と結ばれていた紅い糸
は短かったので妻と結婚したけど、もう少し長いのが
何本もあるような気がする。

その証拠に紗智子さんは当初から逆ナンパして来たし
亜紀さんは独身の癖して妻帯者の私に近づいて来た。
そんな訳で紅い糸は都合3本有る事になる。
それとも紅い糸は1本であとの2本は別な色、例えば
ピンク色なのかと思う。

それに加えて教室のデモを見ていたら特に私のタイプ
の女性が大先生と踊って居た。一挙一動をまじまじと
見つめるので女性も視線を感じたらしい。
デモが終った女性は集合写真を撮るのでドレスを着た
まま入り口付近に立って次のデモを見物している。

その女性はみんなと離れて何とは無しに私に近づいて
来て1メートル位のところに立ってドレスを触ったり
ちらっと私を見たりしている。位置的には亜紀さんの
隣に立っている。私は亜紀さんを見る振りをして隣の
女性を横目で見ていた。

そして遂にその女性と目が合ってしまった。
急に心臓がどきどきして亜紀さんに聞こえるのではと
心配するほどだった。若しかして4本目の糸らしい。
2006/3/29
「きれいな人だね」  

デモをした教室の人たちはデモが終ったら集合写真を
撮るというので入り口付近にひと固まりなっている。
すると、私のタイプのA子さんは他のデモした人たち
から離れて少しずつ私のそばに近づいて来た。

位置的なことをもう少し詳しく言うと、「へ」の字に
私と亜紀さんとA子さんが立っていることになる。
私とA子さんは壁に平行に1メートル離れて立って、
亜紀さんは私の隣に一歩下がって立っている。

私は気になって亜紀さんを見る振りをしてA子さんを
横目で見ていたのだった。
デモが進みあと一組と言う頃になってA子さんは誰に
ということなく軽く会釈をして入り口の方にゆっくり
歩いていった。多分私に挨拶したように思った。

「きれいな人だね」
「ああ、あの人か。きれいだね」
「ずっと見てたよね」
「ええっ、ちらっと見ただけだよ」
「うそ言いなさい。思われる人たくさん居て良いね」
「そうなのかな」
「わざわざあそこからYOHさんの隣に来たものね」

デモに出た人はみんな入り口付近に固まっているのに
A子さんだけ友達が居るわけでもないのに私のそばに
来たのは私と話をしたかったのだろうか。
近くに来たけど、ほとんど密着するように亜紀さんが
横に立っていたので諦めたのだろうか。
亜紀さんに感づかれたけどあんな綺麗な女性とデモを
したいと思った。
2006/3/31
「亜紀さん厚化粧」  

ダンス教室や会館のサークルもクリスマスパーティが
終ると冬休みになってしまう。いくらダンスが三度の
飯より好きでも年末ともなれば会社も役所も家庭でも
忙しくダンスどころではなくなる。

そんな訳でサークルも教室と一緒に冬休みになった。
亜紀さんとも紗智子さんともあるいはサークルの仲間
たちと2週間ほどのご無沙汰になる。

鈴木さんは自発的に会員名簿を作って年賀状の資料に
配ったが紗智子さんだけは住所が抜けていた。
みんなは住所が空欄なのを見つけたが旦那のいつもの
態度が分かっているから話題にする者は居なかった。

新年最初のサークルは1月7日から始った。
一人一人来るたびに新年の挨拶をしていた。
「あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとうございます」
私も講師の先生や会員に挨拶をして廻った。

亜紀さんが現れた。何と今までに見たことの無い化粧
をしてきたのである。今までこんなに濃い目の化粧を
したのを見たことが無い。みんなも気が着いて言う。
「どうしたの?」
「新年ですから」

女達は亜紀さんの化粧に付いてあれこれと話題にして
いたが、私はパーティの時の女性を思い出していた。
「きれいな人だね」
と私に言っていたが、若しかしたら対抗心を燃やして
今までに無い厚化粧をしてきたと推測する。
2006年3月分おわり                  上に戻る



年月日 タイトル 日 記   2006年4月1日から30日