01:古典力学の愚痴



1:いろいろ

・おいおい、ラグランジアンって凄すぎだろ。もっと早くラグランジュ方程式を教えろよ。
 いちいち F→=ma→ で成分計算やってたのが馬鹿みたいだ…。
 せめて一言「実はラグランジュ方程式ってのを使うともっと楽に解けるから、楽しみに待っておれ」と前もって書いておいてくれ。
 ラグランジアンやハミルトニアンの便利さを知らずに古典力学を挫折したら悲しすぎるだろ。


<ベクトルの取り扱い>
・ベクトルの微分、だと?そんなの高校で一度もやってないぞ?
→成分ごとにやれ。以上。


・ベクトルの太字表記に慣れない。高校時分の矢印が恋しいよママン。
→とか言っときながら、気づいたら慣れてる。


・スカラー関数とベクトル関数の積の微分だと? 内積の微分だと? 外積の微分だと?
 どれも初めて見る形だけど、普通のスカラー関数の積の微分と同じように扱って良いのかよ。
→全部、高校ではやってないけど大学では当たり前のように使うので初めてみたときは戸惑うよね。
 前書きで『高校の知識さえあれば読める(キリッ』とか書いてある本でも普通に出てくるwwwバーローwwww
 けど、どれも割とあっさり証明できる。
 というか、証明のしかたも似ている。



<高校物理って何だったんだろう>
・少し高校物理の復習。高校教科書ではあまり名言されていないが、原理としてしっかり呈示すべき幾つかの事項
 これらの事項を押さえると、F=maでうまく運動が記述できる。
1) 糸の張力はTと置き、その両端の物体について大きさが等しく逆向きに働くと考える。
→これは作用反作用の法則から説明できるが、やや論理に飛躍があるように思う。
 糸で繋がった先の物体同士が力を及ぼしていると考えるのではなく、あくまで「接している」糸から力を受ける、と考えるのがミソ。
 接さずに力を及ぼす例外(重力、クーロン力etc...)は幾つか抑える。
#糸の応用として、滑車。
2) 斜面から受ける力の向きは、斜面に垂直な向き。すなわち、
2-1) 水平な面からはまっすぐ鉛直上向きに力を受ける。
2-2) 傾いた面からは、傾いた向きの力を受ける(鉛直上向きではないことに注意)。
 重力は鉛直成分に働くため、この重力を斜面方向と斜面に垂直な方向とに分けて考えるのが大抵の常套手段。
3) 摩擦力が働く向きは、常に動こうとする向きと180度逆の向き。すなわち、
3-1) 水平面で静止している場合は、動かそうとする向きの180度逆。
3-2) 水平面で動いている場合は、動いている向きの反対。
3-3) 斜面で静止している場合は、
3-4) 斜面を動いている場合は、(水平でないことに注意)。
向きはこれで良いとして、その大きさはμN(運動時はμ’N)として、垂直抗力のみによる1変数関数として表されるというモデルで考えるのがポイント。
実際の場合は、●

これらの前に、
0-1) 力はベクトルとして扱えること(合成、任意の向きに分解して考えられること)
0-2) 力の作用線の法則
0-3) 力がベクトルといえど、自由ベクトルではなく束縛ベクトルであること
を経験則として認める。

0-1) シモン・ステヴィンの「力の平行四辺形の原理」(←マッハの力学史にも記載あり)
ここの証明がどの本を見ても納得できないのだが…。



・F=ma は結局、法則なのか定義なのか。Fの定義式とみなすのか。
 F,m,a が各々独立の量として考えられるのならば、これは法則とみなすことができるが?
→色々な捉え方がある。高1で習った当初は不思議に思ったが、解析力学etc....をやっていくとどうでも良くなってきたw
 ここは深くツッコむよりも先に進んだ方が良いような…。








<仕事、線積分、エネルギー、grad、保存力>
・仕事のところで詰まった。線積分が分からねーよ。
→定積分ではx軸で積分してたのを拡張して、一般の線分で積分したのが線積分か。
 線積分について1章くらい割いて詳述してあるベクトル解析の本を読んだら、やっと理解できたわ。
 今なら、ものすごーく自然な考え方だと思える。
 でも普通の「力学」と名のついた書物だけだと、(私レベルなら)納得するのは難しいのでは?
 一般的なカリキュラムだと、線積分にぶち当たる初めての機会がこの仕事とエネルギーの箇所だと思うが、
 それにしては数学的な扱いがあまりにも雑すぎないか?


・線積分フザケンナ。dr→っていう風に、ベクトルで積分するってのがまず意味不明。
 しかも内積だと?さらに、これが普通の積分のような変形(置換積分など)可能だとぉ?
→丹念に定義や証明をひとつひとつ追っていったら納得できるよ。


・これまでの内積の公式や諸性質は、あくまで一定の大きさを持ったベクトル(0ベクトルも含む)という
 想定内で証明されている。dr→のような微小変化量でも成り立つかどうかは、逐一検証が必要では?
 運動方程式の両辺にdr→という無限小量の内積をかけて積分しても等号が保存されるのは自明ではないのでは?


<線積分を理解する10step>
1:y=f(x)をx軸に沿ってdxで積分したのが、普通の積分。
2:一般の曲線C:y=g(x)に沿ってy=f(x)を積分する、、、というように考えを拡張する。どうすれば良いか。
8:y=f(x)で考えたが、これがベクトル場で





・一次元での仕事とエネルギーの式導出
F=m・dr^2/dt^2 を2回tで積分すれば r(t)が定まる。
FがF(t)の形で表されていれば話は簡単なのだが、通常だとFはtではなくrの関数F(r)で表される
(摩擦力が働くような場合はF(r,v)という場合も。色々。)
F(r)をtで積分してもよく分からん。→じゃあF(r)をrで積分してみましょう。これなら可能。
簡単のため、まずは一次元で話を進める。だからF(r)はF(x)とする。
運動方程式の左辺をxで積分したもの:∫F(x)dx はそのまま計算できる。
片や、右辺をxで積分したもの:∫m・dv/dt dx はintractable→trick dx=(dx/dt)dt=v dt を使ってやる。
(とりあえず、今の段階ではtとxが1:1対応していると仮定する。後でこの仮定について吟味してみる)
すると∫m・dv/dt・v dt となる。
さらに、やや技巧的であるがこれは ■ と変形される(これは下から上を導出したほうが分かりやすい?この変形はよく使う)
変形していくと運動エネルギーの変化量が、この間にされた仕事の量と等しいと導かれる。

初期値x0、v0が分かっているとすると、この式はxの関数(∫F(x)dx)でvを表していると言える。
この解法だと、makes no reference to time.

一次元での例(いずれも力はその軸上で働いていることに注意)
1:重力、2:調和振動子、3:the escape velocity from the earth




・3次元での仕事とエネルギーの式導出
∫F(r)dr 3次元に話を拡張する場合、どうすれば良いか。→Kleppnerの書き方が相当に丁寧。




・ポテンシャルのところで詰まった。U=−gradφが意味不明。こんなの考えるメリットは?
→問題解いた?ニュートンの方程式をシコシコ解くよりずっと楽じゃん。


・受験頻出のthe escape velocity。無限遠ではV=0 という考えって飛躍がないか?
 少なくとも無限遠云々はこれまで考えてなかったわけで、これは法則と言うのに相応しいのでは?


・∫F・dr は経路に沿ったものでなくてはならない。
 r(t) は普通分からないのに、経路を知らなければ行えない"経路に沿った積分"をしなければならないのは本末転倒である。
 しかしながら、以下の2つの場合はこの問題が解決できうる。この2つの場合とは…
 (1)経路を問わず、始点と終点さえ分かればこの仕事が一意的に定まる場合
 (2)the motion is constrained
 それは各々、
 (1)経路を問わずに始点と終点だけで仕事が定まる条件は何だろうか?→conservative force
 (2)the constraining force does no work→constraint force、と話が続く。

one of the shortcomings of the method:
we have no information on when the mass gets there



・小野寺p.71:dr→=d(xi→+yj→+zk→)=i→dx+j→dy+k→dz
 このあたりのdを含む演算の取り扱いを『キチッと』したいんだよな…。
 スカラー+スカラー:d(x+y)=dx+dy、d(xy)=xdy+ydxを基本として、cをconstとするとd(cx)=cdx。
 スカラー+ベクトル:d(xi→)=xdi→+(dx)i→、
 ベクトル+ベクトル:d(i→+j→)=



・「仮想仕事の原理」が分からない。ナニコレ。
・「力がつり合った状態で動かす」ってのが分からない。力が本当に釣り合ってたら動かないじゃん。詐欺かよ。
→原理、だからな。これを認めることで他の法則etc....を説明することが出来るならば、


・「最小作用の原理」が分からない。ナニコレ。
→作用やら汎関数については、まず数学的な取り扱いにまったく慣れていなかった。
→最小作用の原理からオイラー・ラグランジュ方程式を導出する流れというのは、覚えようとしてなくても
 覚えてしまうほどそれはもう何度も何度も出てきた。初めて目にしたときは???だったが、今はもう
 慣れきってしまったのか当たり前だと思うようになっている…。



inertia forceの考え方
(1)物体の場所r(t)はどの座標系で見ても同じと仮定する。
(2)静止している慣性系と、加速度αで動いている座標系とで各々、ある物体の運動を観測したとする。
(3)小野寺p,112の式変形。
(4)(1)の仮定が正しいとすると、p.112の式が成り立たなくてはならない。
   この3番目の項はどう解釈したら良いのか、現段階では分からない。
(5)3番目の項は全体としてはFの次元を持つ。可能性としては
  5−1:質量に関する修正項
  5−2:加速度に関する修正項
  5−3:力に関する項
  5−4:1〜3のコンビネーション
  5−5:まったく新しい概念
 などの可能性が考えられる。次元を考えると5−1、5−2はかなり無理やりだがw
#一番素直な考えとしては、
 加速度している系で考えた場合、この3番目の項の力を受けている?
 そう考えないと矛盾する。実際、そんな力は存在するのか?
(6)エレベーターなどを使った実験において、5−3によるもの(=力)だけで説明がつくと解釈される。
(7)加速度系では、−maの力を実際に受ける。ただしこの力は作用反作用の法則には当てはまらない
  この力を慣性力という。
#見かけの力とよく言うが、加速度系では実際にその力は働いている(力として観測でき、これを考慮するとF=maが成立している)。
 一方で、慣性系にいる人にとってはこの力は存在せず、この立場でもF=maは成立している。
#ここを出発点として、これまで出てきた全ての加速度運動について、
 この慣性力の説明で問題ないか/成り立っているか/新しい解釈はないかどうか見ていく…という流れ。
#自分が加速度運動しているかどうかは、この慣性力を計測して分かるだろうか?

#これまでに考えた仕事とエネルギーの法則、運動量と力積の法則はどうなる?



inertia forceの考え方 その2(重複)
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同じ運動を
(1)加速度系で見た場合
(2)慣性系で見た場合

を対比して考え、さらに
(1−1)加速度系では実際にそういう『力』を感じていること
(1−2)その『力』は作用反作用の法則に当てはまらないこと
(1−3)この『力』を考慮に入れたら、加速度系でF=maが成立すること

(2−1)慣性系ではそういう『力』は観測されずに外力だけで説明がつき、
     さらにはその上でF=maが成り立つこと

(3)1の系と2の系で、当然ながらr(t)は同じであること
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やっぱりベクトルをしっかり使った微分方程式で考えないと納得できないわコレ。
ここを出発点として、これまで出てきた全ての加速度運動について、
この慣性力がどのように考えられているかを見ていく…という流れ。

(A)重力では?
(B)円運動では?→遠心力
(C)調和振動子では?
(D)etc....
さらに、自分が加速度運動してるかどうか分かるか?
エネルギーや運動量の法則はどう修正されるか?
なんて話に自然に繋がっていく。
コリオリの力も、考えつかない方がおかしい、という気分になるw




・地球が自転しているのなら、人間は遠心力で吹っ飛ぶのでは?


・慣性力→慣性(質量m)に比例するからこの名前、という説明。外力と区別。


・ラグランジアンLを速度と位置の関数とみなして偏微分してるけど、どっちも時間tの関数なのに以下略。
→そうやってみたら上手く物事を記述できましたワーイ!ってことで理解しておいたが…。


・作用SにL=T-Uを選ぶ必然性は?他のものを選ぶことはできないか?
→ラグランジアンの多様性は高橋康に色々書いてある。


・運動方程式からエネルギー保存則やら運動量保存則が導けるのは分かった。
 で、どれがエラいの?どれが一番の根本法則なの?
 逆は導けるの? 数学的に同値なの?
 はいはい、根本厨でごめんなさい。