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著作権的なことは見逃してはもらえないか?


■小平邦彦シリーズ
われわれ数学者が新しい定理を発明したといわないで発見したというのは、その定理がそれを発見した数学者とは独立に宇宙のはじめから実在していたと感じるからでしょう。


数学は実験科学である。(中略)この場合注目すべき点は、彼らのあたえた証明がすこぶる不完全であるにもかかわらず、定理が正しかったことである。


自然現象の背後に数学的現象なるものが実在している。数学者は、物理学者が自然現象を研究するのと同じ意味で、実在する数学的現象を研究している。そして数学を理解するということは、その数学的現象を「みる」ことである。「みる」というのは数覚によって知覚することである、というのが僕の実感ですけどもね。


一度アティヤに「基礎論に興味がありますか」ときいてみたんですよ。そしたら、ぜんぜん興味がない、厳密性というのは時代の関数だから、そんなこと心配する必要はないっていうんですよ。(中略)昔は全くいいかげんなのを、厳密だと思ってやってたわけでしょう。いま数学は厳密だと思っているけれども、先へいったら変わるかもしれない。基礎なんか心配してもしょうがないというような話をしていました。