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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第99杯「除雪」

2月のある日、居酒屋で飲んでいるときに、北京オリンピックで金メダルを獲得した高木美帆選手も食べているという髙橋まんじゅう屋の大判焼き(「たかまん」と呼ばれている。)の話になり、何の拍子かわかりませんが、ぼくが、翌日、「たかまん」を買いに行くことになり、タッパーを持って行って帯広名物のインデアンカレーも買ってくるから、ご飯を用意しておいて、と発言しました。さすがに、ご飯を用意してもらって、インデアンカレーを用意しないわけにはいかないと思い、翌日、約束を果たすために帯広に行きました。居酒屋へ持って行く分、家族の分、知人の分も含めて「たかまん」30個、インデアンカレー10人前を購入して帰る途中、新富良野プリンスホテル敷地内にある「北の国から」のミニ資料館とドラマ館に立ち寄り、迷った挙句、五郎さんのジャンパーとニット帽を購入しました。黒板五郎役の田中邦衛さんが亡くなり、ミニ資料館も本年10月31日で閉館するとのことで、五郎さんのジャンパーとニット帽を購入する機会はもうないかも知れない、今購入しないと一生後悔すると思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入しました。購入したはいいけれど、おそらく着用する機会はないだろう、とも思いました。

年を取って寒さがこたえるようになり、痛風を患ったことで除雪には苦労するようになりました。今年の旭川市は、雪が少なくて除雪の苦労が少なくて助かっていたのですが、五郎さんのジャンパーとニット帽を購入した日の夜から雪が大量に降りました。期せずして、五郎さんセットを着用し、家の前に積もった大量の雪と格闘していたら、犬がやってきて、しばらく、こちらをじっと見ていました。そして、境界におしっこをいつもより多くして行きました。新顔だな、誰だあいつは、と思ったのでしょう。ここは俺の縄張りだと誇示するため、おしっこをいつもより多く排出したのだと思います。通行人も、普段は会釈するだけで、言葉を交わすことはないのですが、なぜか、「雪すごいですね。大変ですね。」「もう降らないで欲しいですね。」などと話しかけてきました。五郎さんセットを着用していることを意識してのものではないとは思いますが、五郎さんセットは除雪作業になじんで、犬や人間の視覚や気持ちに訴えるものがあるのかなと思い、五郎さんセットの持つ意外な効能を痛感しました。