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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第93杯「中田派プロ野球宣言」

日本ハムの中田翔選手が、チームメイトへの暴行が原因で、暴行から10日足らずで巨人に移籍し、試合にも出場しています。以前は、高校野球での体罰、プロ野球での鉄拳を伴った指導、試合中の乱闘は頻繁にみられました。今はいかなる理由があっても暴力は許されないということは分かります。中田選手がチームメイトに振るったとされる暴行の程度は不明であり、今回は度を過ぎてしまったのかも知れません。ただ、被害者とされるチームメイトとも既に和解済みで、被害者が「大事にしたくない」と言っているにもかかわらず、「日本ハムで復帰するのは無理」として、早々と巨人に無償で放出してしまうのは、いかがなものかと思います。日本ハムで復帰するのは無理なのに、巨人では早期に復帰可能とするのは矛盾しています。

日本ハム球団には、年棒が高額化し、個性が強く球団としては管理しづらい中田選手を放出することで、とにかく早く決着をつけたいという姿勢が見えます。世間体を気にした、トカゲのしっぽ切りです。中田選手は、日本ハムの生え抜きで、長年、中心選手として活躍してきた功労者なのだから、日本ハムで指導・監督して、時間をかけて更生させるべきです。球団は、そのぐらいの面倒はみるべきです。それが球団としての社会的責任の取り方だと思います。放出して球団の責任を解除してしまうのは、単なる責任逃れに他なりません。中田選手のことを考えての移籍というのは表向きに過ぎないと思います。合理的な球団経営には熱心ですが、選手やファンのことは二の次になっています。功績ある選手を早々と放出し、もう関係ありませんでは、選手は球団に愛着がなくなるだろうし、ファンも離れてしまうと思います。

個性の強い中田選手が球団を去り、日本ハムを応援するモチベーションが下がりました。中田選手には、新天地で活躍して欲しい。巨人の原監督は、高校時代、野球部監督が自分の父親であったため、特に厳しく指導され、体罰を加えられた経験があるので、中田選手をうまく更生させるでしょう。

ぼくは、もともと巨人ファンで日本ハムが北海道に来てから日本ハムのファンになりました。2008年ころまでは巨人が1番、日本ハムが2番でしたが、以降は、日本ハムが1番です。しかし、今回の中田選手の移籍で、今後は巨人を1番に応援することにします。中田派プロ野球宣言です。