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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第89杯「幸福の黄色いマーカー」

ぼくは、映画やテレビドラマ、特に今は死語となってしまったトレンディドラマは、フィクションで話が出来過ぎていて、現実離れし過ぎているので、これまで、あまり見ていません。他方で、道民なので、北海道が舞台となった映画、ドラマ、紀行物は必ず見ます。定番中の定番ですが、テレビドラマでは「北の国から」映画では「幸福の黄色いハンカチ」といったところです。「幸福の黄色いハンカチ」は、ラストシーンもさることながら、出所した島勇作(高倉健)が食堂に入り、ビールを一気飲みし、醤油ラーメンとカツ丼を注文して食べるシーンが気に入っています。一度、同じように注文してみようと思いますが、まだ、実行できていません。

「幸福の黄色いハンカチ」に隠れてしまいがちですが「遥かなる山の呼び声」も良く、ラストシーンが秀逸です。急行大雪で網走に護送中の田島(高倉健)に聞こえるように、虻田(ハナ肇)が民子(倍賞千恵子)と会話するシーンです。詳細は割愛しますが、民子が虻田の援助を受けながら、息子と2人で田島が出所するのを待っている旨の会話です。会話の後、民子が田島に黄色いハンカチを渡します。この2本は、時代背景の描写も適切で、当時の、まだ活気のある?北海道の様子が良く分かります。当時の夕張の繁華街で飲んでみたかったな。思わず、山田洋次監督名作選DVDBOXを買ってしまいました。「男はつらいよ」も北海道を舞台とする作品が7作もあり、その中でも第38作「知床慕情」が一番だと思います。マドンナ役の竹下景子もさることながら、頑固な老獣医(三船敏郎)が、「スナックはまなす」のママ(淡路恵子)に告白するシーンがが良い。この3本は、いずれも、適度に未来に希望を感じる終わり方が心地良いです。

話は変わりますが、黄色いハンカチは、司法試験の受験勉強にも影響を及ぼしていました。ぼくは、裁判例で答案を書けば合格できると信じていたため、裁判例については、黄色のマーカーでマーキングしていました。司法試験で苦労したぼくにとっては、黄色は合格、安全、幸福、平和を意味するのです。ちなみに反対説は赤(朱色)でマーキング。これを採用したら危険、不合格という意味です。なお、法律で規定されている制度の基本的な意味である制度趣旨は、茶色でマーキング。困ったら基本に帰れ、言わば、「土に帰れ」という意味で茶色を使っていました。