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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第82杯「這う這うの体」

「ほうほうのてい」と読みます。「這う這うの体で逃げ帰る」などと使います。さんざんな目に遭って、やっとのことでその場を去るときに使う言葉のように思います。

ぼくには、面白いと思うけれど、性格的に向いていないと思っているものが2つあります。1つはゴルフです。ゴルフ自体は面白いスポーツで見るのもするのも好きなのですが、全然、上達せず、たまに誘われてゴルフ場に行ってラウンドしますが、たいてい這う這うの体で帰ってきます。中盤のホールで10打以上、打ってしまうことが必ずあり、その後は気持ちが折れてしまって、同じ組で回っている人の迷惑にならないようにすることだけを念頭に、スコアは二の次で回ってしまうことが原因です。その結果、また大きくたたいてしまうという悪循環に陥り、這う這うの体でホールアウトし、風呂も入らずに帰るといった具合です。

もう1つは麻雀です。麻雀自体もゲームとしては面白いと思うのですが、如何せんスタミナがなく、また、タバコの煙に弱いため、長期戦になると最後は疲労と眠気で、どうでもよくなって、点棒の大判振る舞いをする結果になります。卓を囲む他の3人がいるので、自分の意思だけでは抜けられず、振り込まないことだけを念頭に、仕方なく付き合うことになるので、面白くないし、点棒は減って行く一方で、結局、負け幅を大きくして這う這うの体で帰ることになります。

同じ組で一緒に回る人や一緒に卓を囲む人に気を遣うという意味で、ゴルフも麻雀も共通しており、そういうスポーツやゲームには性格的に向いていないと思っています。マッチプレーのゴルフや半荘2回程度の短期決戦の麻雀なら何とかなるかも知れません。

逆に、自分のペースで好きなだけできることは、性格的に向いており、居酒屋のはしごがその典型です。一人で行くので、超ハードな居酒屋のはしごのスケジュールを立てて実行しても、誰にも迷惑をかけないので気楽です。わざと遠回りします。博多に行くのに鹿児島空港から入って居酒屋をはしごしながらバスで博多入りするという、馬鹿馬鹿しいことを実際にやりました。伊丹空港からバスで25分の甲子園に行くのに、バスで6時間かけて山陰に行って、松江と米子で、はしごしてから、再度バスで6時間かけて甲子園入りしたこともあります。好きなことをしているので、気分は這う這うの体ではなく、凱旋です。