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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第61杯「みちのくひとり旅」

旭川弁護士会と山形県弁護士会は、雪国で小規模会同士ということで姉妹弁護士会として交流し、会の運営等について情報交換しています。協議会を開催し、互いに行き来しており、昨年は旭川弁護士会の会員が、山形市を訪れました。ぼくも参加しました。協議会の2日前に東京で用事があったので、東京から山形入りしました。その経路ですが、上越新幹線を使って長岡まで行き、長岡で泊まり、次の日、新潟に移動して、特急「いなほ」で日本海側を北上して酒田を経由して山形入りすることにしました。長岡で泊まる理由は「魚仙」という居酒屋を訪れることに尽きます。新潟県の地酒がすべて揃っている上、油揚げ(栃尾揚げ)が絶品です。次の日、新潟へ行く途中に燕に立ち寄りました。「杭州飯店」でラーメンを食べるためです。背油大量・極太麺ラーメンの元祖です(昭和9年創業)。冷めにくく、伸びにくくするために背油を加え極太麺にしたようです。脂っこい分、塩分を感じないのか、意外とあっさり味です。新潟で「いなほ」に乗り換えます。1時間ほど待ち時間があるので、この間に、生産量が少ないため新潟のごく一部でしか流通していないという幻の酒「鶴の友」を入手した上、昼間から営業している居酒屋「案山子」を訪れるという実にタイトな計画をたてていました。新潟県の全酒蔵の酒を扱っている「ぽんしゅ館」で見事「鶴の友」を手に入れ、タクシーで「案山子」に行き、タクシーを待たせておいて20分ほど飲んで、駅に戻りました。タクシーの運転手には「そこまでする人は、なかなかいない」と変に感心され、「新潟で大規模な日本酒の会が催されるから、そのときおいで」と耳寄りな情報をいただきました。「いなほ」で酒田に移動し、「日本ボロ宿紀行」に掲載されている「最上屋旅館」に泊まりました。実は、最近、「旅館」投宿がマイブームなのです(またの機会に書きます)。酒田で泊まる理由は、慶応年間創業の「久村の酒場」と日本最高齢93歳のバーテンダーが店に立つ「ケルン」を訪れるために他なりません。「久村の酒場」は酒もさることながら、肴がどれも安くてうまく、特につみれ汁は出色でした。93歳のバーテンダーのシェイカーさばきは見事の一言。そして、協議会当日に山形市に移動し、旅の終わりに山形名物の冷やしラーメンを元祖の「栄屋本店」で食べました。