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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第55杯「ソウルフード」

「ソウルフード」とは、アメリカ南部黒人の伝統料理、または各地の郷土料理のことですが、いつでもどこにいても、これさえ食べれば元気になる食べ物のことと置き換えます。ポパイの場合はホウレンソウ、ハクション大魔王の場合はハンバーグ、ぼくの場合はカレーですが、これではインド人と同じになってしまうので、今回は北海道人としてのソウルフードとします。ぼくの場合は、北海道人の意地と誇りと責任と自覚により、「ジンギスカン」と「やきそば弁当」です。

まず、ジンギスカンがソウルフードとなることは北海道人として当然です。ぼくは、上品な「ラム」よりも、味と香りに力があって、しかも安い「マトン」を好む、マトン派です。また、タレについては漬け込み派と後づけ派に分かれるようですが、ぼくは、どちらかといえば、幼いころから食べている「松尾ジンギスカン」の影響からか、漬け込み派です。もちろん、タレの後づけも好きであり、その場合のタレは、「ベル食品」のものでなければなりません。ちなみに、ジンギスカン以外の焼肉の場合のタレは、「エバラ食品」ファンです。数ある焼肉のタレの中でもエバラ「黄金の味」が、やっぱりうまい。甘口・中辛・辛口とありますが、甘口で良いと思います。辛くしたければコチュジャンを足せば良いのだから、最初から辛口である必要はありません。

もう1つは、やきそば弁当です。北海道以外の地域では、やきそば弁当は売っていません。ぼくは、大学と司法試験浪人の14年間は東京で過ごしましたが、旭川に帰省する度、やきそば弁当をまとめ買いして東京に持って行きました。東京では、「ペヤングソース焼きそば」が幅を利かせています。両者の違いですが、ペヤングの方が、麺が細くて長く、ソースが辛口です。やきそば弁当には「中華スープ」が付いていますが、ペヤングには付いていません。また、麺だけなら、日清「UFO」が美味しいと思うのですが、ソースと麺との総合評価では、やきそば弁当に軍配が上がります。司法試験に合格すると埼玉県和光市にある司法研修所に入所し、研修所に併設された寮での生活となります。同じ寮に旭川東高出身者が3人もいて、そのうちの1人の部屋でつつましく「東高飲み会」を開催したところ、やきそば弁当があるのを発見したので、指摘すると「やき弁に反応した、さすがだ」と笑われました。