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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第24杯「21世紀枠」

ぼくが生きているうちに、実現したらいいなと思っていることの1つに母校である旭川東高が甲子園に出場し、応援のため1週間程度大阪に滞在し、数ある大阪の居酒屋の名店をはしごするというものがあります。残念ながら東高は春も夏も甲子園出場がありません。プロ通算303勝のスタルヒンは東高の前身である旭川中学出身ですが(旧制中学は5年制のところ、スタルヒンは3年で中退して巨人入団)、スタルヒンが2年と3年の時に2年連続で道予選の決勝で敗れ、甲子園出場を逃したことを皮切りに、東高はこれまでに10回も道予選の決勝にコマを進めていますが、全て敗れているようです。道内の公立高校の甲子園出場といえば、最近では(と言っても10年以上前ですが)平成12年の札幌南高と平成16年の旭川北高が思い出されます。北高のピッチャーは北大会の決勝で四死球を15個出しながら、完投勝ち(9対5)しました。ヒットも打たれているから毎回ランナーを2人以上出していることになります。よく勝ちました。甲子園でも岩国高に敗れはしたものの、8回裏2死満塁から走者一掃の長打が出て3点取っており、見事という他ありません。東高が甲子園に出場できるとしたら、春のセンバツの「21世紀枠」での出場じゃないでしょうか。今年は秋の新人戦で全道大会に出場しており、全道大会で1勝してベスト8に進出したら、21世紀枠で甲子園初出場― 、ひそかにそうなることを期待して、スタルヒン球場で札幌日大高戦を観戦していました。途中までリードしていましたが2対4で敗れてしまったので、おそらく来春の21世紀枠でのセンバツ出場はないでしょう。でも、新チームの選手は粒がそろっていると思いますので、まだまだ甲子園出場のチャンスは続くと思います。頑張って欲しいです。司法試験にも平成8年~平成15年まで、受験回数3回以内の人を200名程度優先的に合格させる「優先枠」がありました。高校野球の「21世紀枠」は、甲子園出場まであと1歩届かない高校を救済する制度であり、司法試験の「優先枠」も合格まであと1歩届かない人を救済する制度ですが、「優先枠」は対象を受験回数3回以内の人に限定しており、これは「21世紀枠」の対象を野球部創部10年以内の高校に限定するようなもので、一見合理的に見えますが、極めて不合理な制度でした。