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メディア旭川 連載記事
世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第115杯「アナログ人間」

裁判所では、今でも、当事者ないし代理人が裁判所に出頭して訴訟手続を進めるのが原則とされています。また、事実や法的主張も法廷で口頭で行うのが原則とされ、準備書面など紙媒体で提出し、法廷で「書面のとおり」と口頭で述べるのが一般的です。ところが、コロナ禍で外出を極力減らすようになったため、訴訟手続もTeamsなどを使ってオンライン化され、裁判所に出頭しないで行えるようになっています。主張もオンラインでデータ提出できるようになりました(デジタル化)。弁護士会の各種会議も、オンライン化され、これまでは東京の弁護士会館に行って参加していたのが、Zoomを使って、弁護士各自、それぞれの事務所から参加できるようになりました。とても便利になったのですが、ぼくは、パソコンやスマホなどの操作が大の苦手で、操作に行き詰まると、イライラして、ストレスが増大するので、早々と操作を諦めて、裁判所に出頭することにしています。主張をオンラインでデータ提出することがうまくいかない時は、今まで通り紙媒体で提出しています。相手方から主張がデータ提出されると、かろうじてそれを開いて見ることはできますが、当方の主張を書き足してアップするとなると、操作やデータ作成の段階でお手上げとなることもあり、書面で紙媒体で提出する方が圧倒的に楽だろうと思います。訴訟追行はストレスが大きいですが、ぼくの場合は、操作のストレスの方がよっぽど大きく、ぼくみたいなアナログ人間にとっては、訴訟手続のオンライン化・デジタル化は、苦痛以外の何物でもありません。

コロナが第5類に移行して、従前のように出張する機会も増えてきました。航空機に搭乗する際、オンラインチェックインが導入され、スマホの画面に搭乗用バーコードを映し出して搭乗します。ところがぼくの場合は、搭乗用バーコードを取得できても、これをスマホに保存できなかったり、保存できても搭乗の際にスマホの画面に映し出すことができず、結局、紙に印刷した搭乗用バーコードで搭乗したり、空港で再度チェックイン手続をして、搭乗しています。オンラインチェックインの恩恵は全く受けられない一方、スマホの操作という余計なストレスが増大しています。

この文章は、東京に向かう航空機の中で作成しています。先ほどの体験をすぐに文章化して思いのたけを述べたので、少しストレスを発散できました。