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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第114杯「東京ディープゾーン」

コロナが5類感染症に移行し、一応、居酒屋探訪を再開できるようになりました。とりあえず、ディープなゾーンを探検しに行こうと思い、以前から行ってみたいと思っていたものの、なかなかその機会がなかった世田谷区「三軒茶屋」に行ってみました。三軒茶屋は世田谷通りと国道246号が分岐する地点に茶屋が3軒あったことから、その名がつけられました。世田谷通りと国道246号で囲まれた三角形の地帯は「三角地帯」と呼ばれ、三軒茶屋駅のすぐ近くなのに再開発から取り残され、昭和のたたずまいが色濃く残っています。言わずと知れた「新宿ゴールデン街」、超がつく下町葛飾区「立石」、24時間飲める町北区「赤羽」と並ぶディープゾーンです。以前から銘酒居酒屋の「赤鬼」、やきとん「とし」の存在は知っておりました。

コロナ禍の影響でまだ営業しているのか不安もありましたが、まずは、赤鬼を探しに行きました。「赤鬼」の看板が出ている場所の店は、準備中でしたので周辺を歩いて時間をつぶしていると、思いがけず営業中の「とし」を発見しました。この店は、寡黙で無骨な店主が1人でやっているカウンター7~8席のみの店で、店主に気を遣いながら、あまり話をしないで飲むという暗黙のルール?があると聞いていました。入るのにかなりの勇気がいりますが、たまたま店主が店の外に出てきていたので、「入れますか」と尋ねたら「いいよ」と答えてくれたので、めでたく入店に成功、常連を差し置いて一番奥まで進入し、ビールとやきとん4本の注文に成功、黙って飲食し、レモンサワーを追加注文して、1700円でした。緊張しましたが、また来たいと思わせる雰囲気がありました。その後は、「赤鬼」の看板が出ている場所の店に入りました。徳島県の名産を揃えており、聞いていたのと違うなと思いましたが、経営者が変わったのだろうと深く考えずに飲食して店を出ました。後日、再訪した際に、「赤鬼」の看板は案内の看板で、店は看板が出ている場所ではなく、もっと奥まったところに存在することが判明し、三角地帯の懐の深さに驚きながら、赤鬼に入店して飲みました。このほか、ブラジル料理の店もあり、シュラスコとブラジルの煮込み、ガラナのハイボールで飲食しました。店の密集度は「新宿ゴールデン街」や「立石」に匹敵し、ディープな酔客は比較的少なく、入りやすい店が多いと思います。