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世論遊論 『酒と泪と男と司法試験』

第109杯「受験オタクが推奨する受験生活」

年が明けると大学受験シーズンです。大学受験と司法試験で通算13年を費やした「受験オタク」としての感覚ですが、受験で大事なことは試験当日に心身ともにピークの状態が来るように調整することです。当日より前にピークが来てしまうと当日は下り坂の状態で受験することになり、勢いがなくなります。ぼくの場合は、大学受験も司法試験もピークを第1志望大学や司法試験論文式の受験日に持ってくることができなかったと今でも思っています。ぼくは心配性のため、模擬試験や答案練習会、本命校以外の受験でも全力投球していたため、大学受験でいえば国公立大学に先立って実施される私立大学の入試日、司法試験の場合は論文式の前に実施される直前答練の日にピークが来てしまい、私大に合格したり、直前答練で成績が良かったりすると、少し安心してしまうのか、本試験時には気合が入っても、今一つ乗り切れなかった気がします。

大学受験時は、そうでもなかったのですが、司法試験は5月のマーク式を11回、マーク式を通った人が受験する論文式を7回も経験しているので、論文式3回目以降は、ピークを当日に持って行くことを意識するようになりました。論文式の直前1か月は1日を6時間ずつ4分割し、1コマ6時間を睡眠にあて、1コマ1科目、3コマで3科目勉強するようにし、合間に食事を摂るなどしていました。論文式は1日目が憲法、民法、商法、2日目が刑法、法律選択(ぼくの場合は国際公法)、3日目は午前中が民事訴訟法、午後が刑事訴訟法でした(ぼくの場合は民事訴訟法のみ)。ぼくは、前日に翌日の受験科目を総ざらいするという方法を取り、論文式の3日間は1日2時間程度の睡眠で、最終日はほぼ徹夜の状態で臨んでいました。自分を追い込み過ぎたのか、このやり方でも、ピークが当日に合いませんでした。

結局、答案練習会で成績が良くなかったため、本試験前に、合格できなくても良いから、とにかく悔いを残さないように全力を尽くすと完全に開き直って本試験に臨んだ年に合格しています。

大学と司法試験で通算13年も受験生として生活した「受験オタク」の結論としては、他校の入試結果や答練の結果にとらわれず、暗示・逆暗示・プラス思考・マイナス思考等を使って、プレッシャーを上手くコントロールし、試験終了まであきらめずに全力を尽くすことが大事だということです。