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北海道経済 連載記事

2022年9月号

第150回 旭川東 甲子園出場ならず

小林史人弁護士は高校野球の熱心なファン。今年は母校・旭川東高校が快進撃を見せ、夏の甲子園大会初出場まで「あと1勝」のところまで迫った。今回の法律相談はいつもと趣向を変えて高校野球に注目する。(聞き手=本誌編集部)

私はできるだけ時間を作って高校野球の大会を見に行っています。夏はもちろん、春も秋もです。夏は甲子園で行われる全国大会の予選、1・2年生のチームが戦う秋の大会は、北海道大会で2勝すれば21世紀枠での春のセンバツへの出場が有力となります。春の大会は全国大会に直接つながるわけではないのですが、その成績が夏の支部予選のシード校選びにつながるため、やはり重要です。この夏、私は旭川支部予選をケーブルテレビの中継で、北北海道大会を旭川スタルヒン球場のスタンドで観戦しました。

私の母校、旭川東は北北海道大会の決勝まで進みましたが、私は附属小のPTA活動に参加していた関係で、主力選手たちが小学校6年生の時から彼らに注目していました。今回のレギュラーのうち3人が所属していた少年野球(軟式)のクラブチーム、旭稜野球少年団が2016年にファイターズが主催する大会で優勝しています。前記3人はバッテリーとショートだったと記憶しており、彼らが附属中から旭川東に進学したことで、また、硬式野球経験者も附属中から旭川東に進学したことで、念願の甲子園初出場も夢ではないと期待していました。

もっと早く頭角を現すだろうと思っていましたが、キャッチャーを除いてポジションが固定せず、守備に不安がありました。最終学年になって、ようやくポジションが固定し、守備が堅くなりました。それでも支部予選の最後の試合(代表決定戦)で留萌高と対戦した時には、序盤でいきなり4点を取られ、これで終わりかとも思いましたが、中盤に追いつき9回に3点勝ち越して鮮やかに逆転勝ちしました。この試合で打線が勢いに乗ったことが、北北海道大会での好調につながったと思います。平成以降、旭川東は北北海道大会への出場自体困難になり、初戦に勝ったのは22年ぶり、ベスト4進出は35年ぶり、決勝進出は53年ぶりでした。

とはいえ、旭大高の壁はやはり厚く、悲願の甲子園初出場はかないませんでした。進学校のチームは十分な練習時間の確保もなかなか大変ですし、いわゆる野球留学の選手もいませんが、ここまで戦えることを証明してくれました。主力選手の多くは3年生であり、この秋から新たなチーム作りが始まることになります。

一方の旭大高は、全国的にも通用すると思われるピッチャー二枚看板を擁しており、現監督のもとでの甲子園初勝利を期待しています。私は、コロナ禍前に旭大高の試合を含め、何度か甲子園で観戦しましたが、暑さ、そして観客の多さは異常で、独特の雰囲気があります。強豪校、地元の代表校が出場する日は、早朝からチケット売場に異常なほどの長蛇の列ができ、第1試合の開始(午前8時)前に満員となり、入場できないこともあります。しかし旭大高は夏の甲子園10回目の出場であり、3年前には、その年準優勝の強豪・星稜高校と1回戦で対戦し、0対1で惜敗しています。経験がチームに蓄積していれば、独特の雰囲気にのまれずに実力を発揮してくれるでしょう。

旭大高は来年度からの校名変更が予定されており、「旭川大学高校」としての最後の勝利を期待しています。