郷愁の潮風

The north Sea of Japan 



利尻富士と落陽

 



天売・焼尻島に灯る明かり





落 陽





光 芒





黄金岬の暮色





天高く飛ぶ鴎





午後の一時











里に帰る鮭





帰 港





棒 鱈





サンマ漁





厳冬の浜





雪舞う海











郷愁の潮風



海・・・人は大きな海を目の前にすると、叫びたく成ったりあるいは黙したりする。
海には人の心を癒す不思議な力があるのだろうか.
 
わたしは日本海岸沿いの小さな町に生まれ育った。
その頃、浜は活気にあふれ、たくさんの人が行き交う浜だったが、
その後、鰊が姿を消すと共に人々は生活の場を求め町へと移り住み、
漁村に過疎化の波が押寄せたのである。

静寂の浜は老人と廃屋が目立つ沿岸に変わって行った。 老人は寂しげに語る。
「若い者は皆都会に出ていく。この浜にいても生活ができないんだ・・・・・・・」。 

漁師達は気は荒いが心は優しく解放的で、
私の問いかけに昔の良き時代の頃を自慢げに長々と話をしてくれる。
その話を聞いていると何故か私の心中までが寂しくなって来る。

私の記憶の中の日本海の美しい姿、形、自然を求め稚内から松前までの
日本海沿岸の旅を始め十年の時が過ぎた。
美しさに心和むひとときに出会うと共に、ときには何をも寄せつけない、
誰も逆らう事の出来ない自然の恐ろしさを感じる一瞬にも出会う。
そんな変化は私の心を引きつける。
  
厳しい冬の日本海沿岸は、シベリアからの冷たい風が海を荒れ狂わせ、
人をも拒み岩壁を浸蝕し地形までも変える。
 
そんな厳しい自然の中で生きるためにはコンクリートや消波プロックもやむを得ないのかもしれない。
しかし、自然まで失われてゆくのは寂しい限りである。
  
わたしの故郷、道北の海が、これからも、昔の様な厳しくも美しい海であってほしい。 
そして豊かな資源が何時までも守られるように願わずにはいられない。
   

撮影者識