大学の講義・試験問題・レポートを振り返る

計算機工学基礎、資源エネルギー論、現代思想、循環器



その1(計算機工学基礎)

この学期の金曜1限は自分の学部で面白い講義がなかったので、他学部の講義を聴講してみた。
聴講したのは工学部航空宇宙工学科3年向けの科目『計算機工学基礎』(堀、1999年冬学期)。
講義自体は論理回路やフリップフロップなどコンピュータの内部構造に関わる話がメインで、暗号やUnix、TCP/IPの仕組みにも触れた基本的な内容だった。
レポート課題が面白かったので、ここに掲載してみる。

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(以下、レポート課題)
1.この講義で初めて知って嬉しかったことは何か。具体的に述べよ。
2.よくわかったし、もう少し勉強してみたいと思ったことは何か。
3.よくわからなかったけれども、もう少し勉強してみたいと思ったことは何か。
4.よくわからなかったし、これ以上知りたくもないと思ったことは何か。
5.こんなことはもう知ってるので教えてもらう必要はなかったと思うことは何か。
6.来年の計算機工学概論でやって欲しいと思うことを述べよ。
7.上記1〜3のどれかについて自分で自由に課題を設定して解答せよ。
(課題7は、A4で1〜2枚程度。練習問題を自分で作って解いてもよいし、
 知りたいことについて参考文献を調べるのでもよい。)
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↑『よくわからなかったし、これ以上知りたくもない』ってwwww
1年で必修の情報処理ではひたすらUnixに慣れる作業とPascalプログラミングをさせられたが、
必修で習うべきなのは寧ろこの『計算機工学基礎』の内容なのではないかと思う。
なお、某大学の情報処理ではワードとエクセルの使い方がメインらしいが、
それは大学じゃなくてカルチャースクールで良いんじゃないか?



その2(資源エネルギー論)

1996年夏学期、教養学部総合科目D群。堤さん。
『50年前から石油はあと40年で枯渇すると言われてます。ず〜っとあと40年で、この数字は変わってないです』
と、石油枯渇説がいかにデタラメか教えてくれた講義だったw

・エネルギーの形態には主に化学エネルギー、熱エネルギー、機械エネルギー、電気エネルギーがある。
・現在、基本的には化学E→(燃焼)→熱E→(熱機関)→機械E→(発電機)→電気E という流れで動いている。
・化学E→熱E のプロセスで大きく失われてしまうのがネックである。

この講義もレポート課題が面白かったので、ここに掲載してみる。

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(以下、レポート課題)
エネルギー・環境問題の解決に寄与できると思われる新しいエネルギーシステムを考案し、
そのシステム設計を行え。できるだけオリジナルなものを期待する。
ただし、精神論・政策論的なものはダメ。
例:×炭素税を導入する。
例:×人間を奴隷にしてエネルギーを作る。人間を巨大な回し車の中に入れて走らせる
例:×原始生活に帰る
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このレポートを書くために、日常生活の中で何とか利用できるものはないかと眺めてみたが、なかなか見つからないw
課題にあった『オリジナル』というのが難しく、色々と調べれば調べるほど『オリジナル』が失われていく気がした。
また『システム設計』とあったが、当然自分にシステム設計する知識は無い。する気もない(←オイw)
思いつきのアイディアを出すだけw

結局レポートで書いたのは
1.マントル熱利用
→地球の内部は熱の塊なんだから、1回頑張って深くてデカーい穴を掘って、その熱を使えばいいじゃん?あ、これって地熱発電の一種か。

2.雷エネルギー利用
雷が落ちるような場所を各地に作っておいて雷エネルギーを利用するw

3.海流発電
→風力発電があるなら、海流発電もありじゃん。動いているものは何でも使え。
→…って、潮力発電のパクリか。

4.5.6.7も書くには書いたが、お粗末すぎるので略w

番外.オゾン製造計画。
以上があまりにもお粗末で、しかもこのままではレポート分量が既定枚数に足りてないので付記しておいた。
獣医学のレポートで『美味しいカレーの作り方』を書くようなものだw
オゾン層破壊が叫ばれているのなら、人間がオゾン作ればいいじゃん。
なんならデカい風船に載せて、オゾン層の高度にきたらその風船を割ればいいじゃん。

こんな中学生レベルの「ボクの考えた発電計画」(←最後に至っては発電計画ですら無いw)に単位をくれた堤先生は良い人です、多分。
ま、教養科目ですから…。



その3(現代思想)

1996年夏学期、教養学部総合科目A群。西谷さん。
黒いサングラスをかけてのんびり煙草を吸いながら、自分の考えをとりとめな〜く語っている西谷さんは幸せそうだった。
そして話を聞かされる私は不幸せだったw。
理系でも教養のために文系科目も取らないと進級できないカリキュラムなので、大した興味もない哲学・思想の授業も取らなければならないのだ。

とりあえずシラバスに載せられた講義内容紹介を読んでみよう。

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授業科目:現代思想。講義題目:世紀末を考える
「戦争と革命の世紀」が終わろうとしている。われわれは何くわぬ顔でその敷居を越えてゆくが、現実には存在しない水平線が空と海との区切りとしてわれわれの視野を既定するように、世紀の変わり目もわれわれの歴史意識を既定している。共産主義の理想が破綻し、テクノロジーの夢は悪夢と見紛う予感を孕んで、世紀末はまさに「不気味な」様相を漂わせている。情報もノイズも含めたこの濃い霧のなかで、近代に清算されたはずの「終末観」をリサイクルするのでもなく、また流動と変成を恐れて安定や成長へのノスタルジーにすがるのでもなく、身を開いて新しい世紀を「未知の時」として迎えるための智恵をさぐりたい。

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…うん、ゴメン。センター試験で失った点数の半分以上が現代文という私にとっては、何が言いたいのかよく分からない。
西谷教官はニーチェやクラウゼビッツの話もしていたが、殆どの時間は下に示すような雑談をしていた。

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・りょうせ、地球の未来は廃墟だからね。
・日本には石の建物がない。50年経ったらスラムになるのを考えてない。
・駒場寮ってのは東京のゴミなんです。
・僕が寮生なら新宿のホームレスを呼びますね。
・東大生は慶大生を抜いて両親の所得は1位になったんですね。
・東大生はホームレスをゴミって呼んでもいいんです。でもゴミを踏み潰したり、焼いたりしてはいけないんです。
・今のイギリス社会はとても退廃していて、リバプールではエイズより麻薬が良いって麻薬を配ってるんです。未来が無いってんで。就職が無いってのはそういうことなんです。あとはドロ沼ってことなんです。
・ホームレスのようなどこにも帰属しない人がいなくなったら社会は崩壊しますよ。
・乞食ってのはどこにも居たんです。で東京オリンピックのとき東京から一掃したんです。
・田中角栄以降なんです。ホームレスが本当に居づらくなったのは。
・河原者は堂々と住んでいたんです。ただし大水のときは水浸しになりましたが。田中角栄は河川敷で財をなしたんです。堤防で土地作って価値になってしまったんです。
・今の日本はペンペン草が生えないんです。
僕がホームレスだったらここに住めるな、という場所を確保しておくと精神的に良いですよ

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とりあえず一言。ホームレスの話題が多すぎw




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