作品の舞台は1933年のアメリカ。列車にタダ乗りすることに命を賭ける浮浪者と、そういう浮浪者を殺すことが生きがいの車掌が熱いバトルを繰り広げる話です。2人とも、間違った方向にプライドを持っています。ちっちゃいことに拘るくだらなさが堪りません。何もそんなところに情熱を燃やさなくても良いじゃねーか、タダ乗りのノウハウ蓄積するくらいなら職探せよ!というツッコミも、彼らの真摯な姿勢を見ると消し飛んでしまいます。やっぱり無賃乗車は男の浪漫だよなぁ、という気分にさえなります。あ、ちょっと言い過ぎましたスイマセン。
ひたすら列車まわりで話が進む本作品は、鉄道マニア、埃マニア、無賃乗車マニアにとっては垂涎ものの映画と言えましょう。セレブ気取りの女性をデートで絶句させたいときにも使える映画です。以後、着信拒否されること請け合いです。
車掌を演じるアーネスト・ボーグナインのギョロ目が夢に出てきたら、もう貴方は立派な「北国の帝王」マニア。もう後戻りはできません。薄汚い野郎どもの尊い?意地の物語を味わいたい人にお勧めします。
『北国の帝王』(1973、アメリカ)
出演:リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン
監督: ロバート・アルドリッチ
管理人のお気に入り度:★★★★★
万人へのお勧め度:★★
そんな訳で、「バンデットQ」です。両親にあまり相手されない少年が空想だか現実だかよく分からない冒険に出るという話ですが、前述の神様のように登場人物がかなりイカしています。時代も舞台も目まぐるしく変わります。そして衝撃のラストシーン。この映画を初めて観たのは小学生の頃ですが、ラストシーンを観た後はあまりの唐突さと後味の悪さに暫くキョトンとしてたのを覚えています。
ネバーエンディング・ストーリーを観て冷笑した人や、子供にトラウマを与えたい人にお勧め。良い夢を見ていたはずが、実は悪夢だったというのはよくある話です。
『バンデットQ』(1981、イギリス)
出演:ショーン・コネリー、クレイグ・ワーノック
監督: テリー・ギリアム
管理人のお気に入り度:★★★★
万人へのお勧め度:★★★
薄っぺらといえば薄っぺらな話なのですが、その薄っぺらさに特化した仕事ぶりが素晴らしい。ヘップバーン嬢の魅力を引き出すという意味では、「ローマの休日」や「ティファニーで飯食った」を凌駕しています。ヘップバーンさんが亡くなった翌日に追悼企画として放映されていましたが、この映画をわざわざ選んだ担当者の慧眼には頭が下がります。まぁ、実情は版権が安かったとか、そういう理由なのでしょうが…。
純粋なアイドル映画を観て幸せな気分になりたい人や、お洒落な建物や景色を見たい人にお勧め。全編おフランスで撮影された映画のようです。
『パリで一緒に』(1964、アメリカ)
出演:オードリー・ヘプバーンと愉快な下僕たち
監督:リチャード・クワイン
管理人のお気に入り度:★★★★★
万人へのお勧め度:★★
以下、予定
・潮風のイタズラ:ローマの休日くそくらえ
・カリフォルニア・ドリーミング:ヘタレ青春映画