脳外傷友の会「コロポックル」道北支部

最後に高次脳機能障害者の医師 山田規畝子さんへのリンクがあります
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 高次脳機能障害となって

携帯電話のベルに不吉な予感がした。3男の息子が交通事故に遭い救急車で運ばれたと知らせが入り、呆然と放心状態のまま気が付くと札幌へ向かっていた。旭川から高速で2時間の札幌までの距離が随分遠く長く感じた。 集中治療室に入ると、きょとん!とした顔で何があったのか理解できない様子。意識はあるが体は全く動けない。「何があったの?」と言う顔だ。やがて麻酔が切れると全身の強烈な痛みに耐えかねて「助けてくれ〜」と親に向かって懇願する
                                         
頚椎損傷、肋骨は全て骨折、脊髄の一部損傷、全身打撲。 その後頚椎固定のため、頭に片側4箇所ずつ8箇所穴を開け左右に鉄のボルトで頭骸骨に締め付ける「ハローベスト」の装着手術。 頭骸骨に固定したボルトは鉛筆より少し細い鉄棒で胴体と頭を固定する。頭に食い込んでいる様は、目をそむけたくなる。首はおろか全身全く動かすことができない。勿論寝返りを打つことも、起き上がることも、腕を上げることも出来ない。21歳の青年がオムツをして寝たきりになるなんて!!

数週間後ようやく足を動かすことができるようになった。「頭の鉄を外してくれ」と苦し紛れに看護師さんを蹴飛ばすなどの乱暴な行動が目立つようになった。看護師さんに呼ばれ「親のしつけが悪い」と叱られた。しかし、この行動はきっと怪我が原因の症状ではないか? と、何も分らないが直感した。 そして紐に掴まり上半身を起すことが出来るようになった頃から「自分は交通事故を起こしたんだ」と認識し始めたが、まだこの時点で記憶は戻っていなかった。

やがて車椅子で移動できるまで回復し、車椅子を押して病院屋上の洗濯物干し場に登り、外の空気を親子で吸ったとき、安心と共に小さな幸せを感じた。 そして念願のハローベストが外された。松葉杖で歩けるようになった。 これは退院後の話だが、この頃からようやく本人は夢から覚めた様に自分がバイクの事故で入院したと現実を理解し、記憶のスイッチが入ったようだ。 治り始めると回復は早く、2ヶ月ほどで、札幌の病院を退院した。札幌勤医協中央病院の外科病棟先生を初め、美人で親切な看護師さん、本当にお世話になりました。有難うございます。心からお礼申し上げます。

退院後は旭川の1条通り勤医協病院でリハビリのため通院することになった。 3ヶ月位のリハビリテーションで見違えるように回復し、手の痺れは訴えていたが、その他の身体的後遺障害は見られなかった。自動車保険会社との示談交渉も、損保会社主導で決着した。 だが異変は深く静かに潜んでいた。 少し反抗的で急に「家を出てまた、札幌に行きたい」と言い出す。何かがおかしいと思いながらも、元々勝気な性格もあり、これは元キャラ?と放っていた。家出同然に札幌に行っては見たものの、部屋を借りるには、資金も、保証人もいる。直ぐに泣きついてきた。結局資金も応援する羽目になる。職場は転々と変え、人間関係にトラブルを起こす。 でもこの時点で親は脳に後遺障害があるとは考えもしなかった。
                                           
ここまで読んでいただき有難うございます。少し休憩したいと思います。
            
                                            
その後1年間は飛ばします。  親の制止も聞かず一人家を飛び出した東京での生活は悲惨な結末となった。最初は自分の貯めた資金で住居を借り生活していたがやがて底をつき、仕送りが始まる。 一人、目の届かない所に行ってしまった息子は、糸の切れたタコのように揺れ回った。被害妄想から近隣マンションの住人とトラブル。 マンション管理弁護士を通じて裁判所より退去勧告の知らせが飛び込んだ。遭えなく追い出され、当然敷金は戻らないばかりか、次の引っ越先資金は大金で四苦八苦。
                                           
これからが大変。幻聴、幻視など幻覚に脅かされ、又も住人とトラブル。今度は警察のお世話になり、逮捕され留置場へ。やがて検察庁に送られ、検察庁から親に呼び出し状がくる。被害者からは損害賠償請求。しかも複数。告訴取り下げには損害賠償をきっちり支払うこと が一番と検察官より助言され、被害者や建物所有者に損害賠償金の支払い。
                                           
当初は何処に相談すれば良いのか分らず随分悩んだ。 悲壮感と絶望感が襲ってきた。どうしてこんなことが! 獲たいの知れない悪魔との戦いに思えた。  そんな時出会ったのが脳外傷友の会「コロポックル」の存在。「同じ悩みを持つ人がいる、そしてその人達から沢山の励ましやアドバイスを頂いた。 暗黒からの脱出は筆舌では言い尽くせない喜びがあり、感謝の気持ちでいっぱいです。
                                           
その後は「コロポックル」の勧めで、北大病院にて高次脳機能障害の診断を受けた。 MRI・CTスキャン・ガスペットの検査など3週間余りの検査だったが、結果は脳自体には外傷の所見なしと、先生の見解。 医学的診断では、高次脳機能障害ではないと言うことになる。その後北大病院精神科にまわされ、「統合失調症」との診断だが、素直に受け入れ難かった。  現在は、精神2級の手帳を取得している。
                                           
私が、脳外傷友の会コロポックル道北支部を知ったきっかけは、インターネットである。 それまで仕事上でしか使用していなかったパソコンだが、「息子の症状はいったい何なのか?」知りたい、調べたい一心で情報源としてインターネットに接続した。片っ端から脳障害に関係のあるホームページにアクセスした。掲示板に書き込みをした直後からアドバイスの返信を頂いた。その中に、コロポックル道北支部初代代表の谷口さんからの電話だった。そして当事者の息子さんからも。
                                            
以来、コロポックルの存在が如何に重要であるか痛切に感じた。同時に媒体としてのインターネットの必要性も感じた。それが現在の脳外傷友の会「コロポックル」道北支部ホームページ開設の原点である。また、ホームページ作成にはプロに依頼せず、自力で作成を試みた。それは常に新しい話題を提供したかったこともあり、自力の方が書き換えが簡単で費用もかからないからである。
             
                                            
終わりに、 一部は公開するには偲びないものもあり記述していません。 

                                            
                   
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